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トルコ、子どもに終身刑を科せる法改正を可決 国連人権高等弁務官が懸念

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トルコ議会は現地時間の8月8日、重大な犯罪で有罪となった子どもに終身刑を科せるようにする「子ども保護法(Child Protection Law)」の改正案を可決した。これに対し、国連で人権問題を担当する最高責任者であるフォルカー・テュルク国連人権高等弁務官は、日本時間の13日、この改正について重大な人権上の懸念があるとして批判した。

何が起きたのか

今回の改正は、15歳から18歳の少年犯罪者に対する量刑を全般的に引き上げる内容を含む。加えて、故意の殺人や重大な傷害で起訴された少年については、年齢を理由とした刑の減軽を裁判官が適用しなくてもよいとした。さらに、少年犯罪者の収容先を、更生を重視した教育施設ではなく、出入りが制限された閉鎖型の少年施設に義務づける内容も盛り込まれている。テュルク氏は「子どもの犯罪者が終身刑を科される可能性があることに、私はとくに深く憂慮している」と述べた。一方で、子ども保護行政と教育行政の連携を改善する規定や、子どもが銃器に触れないようにする措置など、前向きな内容も含まれていると一定の評価も示した。

背景

国連の子どもの権利条約は1989年に採択された国際条約で、子どもの拘禁は最後の手段としてのみ、かつ可能な限り短い期間に限って用いるべきだと定めている(第37条)。トルコは1990年にこの条約に署名し、1994年に批准した。複数の条文について自国の解釈を表明する声明を出しているが、第37条についてはそうした声明を出していない。テュルク氏は、今回の改正のうち長期の拘禁を伴う措置は、この条約の趣旨と明らかに相反すると述べた。少年司法の分野では、処罰と併せて更生や社会復帰の支援を重視すべきだという考え方があり、テュルク氏も「更生と社会復帰への注力は被害者を守り再犯を減らすうえで不可欠だ」と強調した。なお国連はこれ以前にも、トルコにおける恣意的な拘束について懸念を示してきた経緯がある。

日本にとっての意味

日本も1994年にこの子どもの権利条約を批准しており、批准年はトルコと同じだ。つまりテュルク氏がトルコに求めている「拘禁は最後の手段、最短期間に」という基準は、日本にとっても本来満たすべき国際的な物差しということになる。日本では2022年4月に施行された改正少年法で、18歳と19歳を「特定少年」という区分にし、原則として成人と同様の手続きで裁く対象事件を広げたほか、起訴後は実名報道が可能になるなど、厳罰化の方向に踏み出した経緯がある。日本の少年法は18歳未満への死刑適用は認めておらず、その場合は無期刑が科されるが、これは仮釈放の余地がある無期刑であり、トルコの改正がどのような釈放条件を伴うかは今回の資料からは分からない。日本の厳罰化についても、国連の子どもの権利委員会からたびたび懸念が示されてきたという指摘がある。トルコに対する今回の批判は、少年犯罪への厳罰化と国際的な子どもの権利保障の基準がどこで衝突するのかを考えるうえで、日本の議論を相対化する手がかりになる。