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ブルキナファソ軍政、記者44人に軍事訓練を義務化

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西アフリカのブルキナファソで、軍事政権が記者44人に軍事式の「愛国心(パトリオティズム)」研修を義務付けたことが明らかになった。国境なき記者団(RSF)は、報道の自由にとって非常に憂慮すべき新たな兆候だと批判している。

何が起きたのか

研修は治安省の主催で、首都ワガドゥグ近郊の警察学校で6日間にわたり実施された。参加したのは公営・民間メディアの記者44人で、男女ともに含まれる。ブルキナファソ国営テレビRTBがソーシャルメディアに公開した映像には、迷彩服を着てライフルを手にした記者たちが整列する姿が映っている。広報担当も兼ねるウエドラオゴ通信相が、愛国的でプロフェッショナルな記者になるかと問いかけると、記者たちは直立不動のまま声をそろえて肯定した。ウエドラオゴ氏は「愛国者でないプロの記者は、自国にとって脅威だ」とも述べたという。

軍政はこの「愛国心研修」への参加を、公営・民間を問わずすべてのメディアに毎年義務付けている。RSFのサブサハラ・アフリカ局長サディブ・マロン氏はAFPの取材に対し、「記者は兵士ではなく、軍服を着せられ武器を持たされて戦争遂行の代弁者にされてはならない」と語った。人権団体によると、軍政に批判的な記者数十人がすでに強制的に徴兵され、前線に送られたとされる。同様の軍事式研修は2025年から、高校の卒業試験を受ける生徒たちにも課されている。

背景

ブルキナファソでは、アルカイダやイスラム国系のイスラム武装勢力による攻撃が10年以上続いており、周辺国も同様の暴力にさらされてきた。こうした混乱を背景に、イブラヒム・トラオレ大尉が2022年にクーデターで権力を掌握し、以後、軍主導の統治が続いている。トラオレ政権は「国家主権の回復」を掲げ、国内主導と反欧米色の強い政策を推し進めてきた。この路線のもとで多くのメディアが停止処分を受けており、今回の軍事訓練の義務化も、報道機関を国家の「戦争遂行」に動員しようとする一連の流れの一部とみられる。西アフリカでは近年、マリ、ニジェール、ギニアなどで軍事クーデターが相次いでいる。

日本にとっての意味

日本の報道でブルキナファソの動向が扱われることは少なく、軍政下で報道機関がどのように統制されていくのか、その具体的な手法まで伝わる機会はほとんどない。今回のケースは、記事の差し止めや検閲といった分かりやすい規制ではなく、「愛国心研修」という体裁を取りながら記者を軍の統制下に置き、批判的な報道をする記者を事実上の徴兵という形で前線に送るという、より間接的で見えにくい圧力のかけ方を示している。日本の外務省はブルキナファソへの渡航について退避勧告(レベル4)を出す地域を含む危険情報を発出しており、直接の経済的・人的つながりは限定的だ。それでも、こうした事例は権威主義的な統治がメディアを取り込んでいく過程の一つの型として、他の紛争影響国や不安定な地域の動向を読み解くうえで参考になる。