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エチオピア・ティグレ州都でドローン攻撃、内戦再燃の懸念強まる

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エチオピア北部ティグレ州の州都メケレで現地時間8月20日朝早く、ドローン攻撃があり、子ども5人を含む少なくとも13人が負傷した。連邦軍とティグレ側が州境付近に部隊を集結させ、双方が相手の攻撃準備を非難し合う中での攻撃で、2022年に停戦した内戦が再び起きるのではないかという懸念が広がっている。

何が起きたのか

現地の病院関係者によると、少なくとも13人が病院に搬送された。うち3人は重傷で、負傷者は2歳から60歳まで、女性7人と子ども5人が含まれる。ティグレ側の当局者によると、最初の攻撃は住宅地を、続く2件目はメケレ大学付近を標的にしたという。2件目の攻撃による死傷者の情報はまだない。自宅が倒壊したという農業を営む女性は「なぜ農家の家がこんな目に遭うのか分からない」と話した。エチオピア連邦軍はこの攻撃について、これまでのところ公式にコメントしていない。

攻撃の背景には、連邦軍とティグレ人民解放戦線(TPLF)がここ数か月、州境付近に部隊を集結させてきた事情がある。ティグレ側は、スーダンとの国境付近でも現地時間8月1日に連邦軍との戦闘が起きたと主張しているが、こちらも連邦政府側の公式な反応はない。地域情勢に詳しい専門家のシェティル・トロンヴォル氏は、今回の攻撃はTPLFの高官級の標的を狙ったものである可能性が高く、住民を無差別に狙ったものではないとみられるとしつつ、連邦政府がTPLFに対してより強硬な手段を取る用意があることを示す動きだと指摘している。

背景

ティグレ州では2020年から2022年にかけて、エチオピア連邦軍とTPLFのあいだで2年におよぶ内戦があった。この内戦による死者は推計60万人に上るとされる。2022年の和平合意により戦闘は終結したが、州はいまだにその爪痕から回復できていない。今も約100万人が避難生活を続けており、連邦政府による補助金が停止されたことで地域経済は深刻な打撃を受けている。

TPLFは、かつてエチオピアの連邦政治を長年主導したとされる政党だが、内戦後は連邦レベルの政治活動を禁止されている。それでもティグレ州内では最も有力な政治・軍事勢力であり続けており、連邦政府との関係は緊張をはらんだ状態が続いてきたとみられる。今回のような州境への部隊集結や相互非難は、和平合意が完全には定着していない現実を映すものといえる。

日本にとっての意味

ティグレ紛争は2022年の停戦以降、日本のメディアではあまり報じられなくなったとみられるが、今回のドローン攻撃は、その停戦が再び揺らぎつつあることを示す具体的な兆候といえる。約60万人という犠牲者数からも分かる通り、この紛争はかつて世界最大級の人道危機の一つと言われた。日本は国連機関や国際的な人道支援の枠組みを通じてアフリカの難民・避難民支援に資金を拠出しており、ティグレ州で再び大規模な戦闘や避難民が発生すれば、こうした国際的な人道支援の必要性が再び高まることになる。また、エチオピアはアフリカ有数の人口を抱え東アフリカの地域安定に大きな影響力を持つ国とされ、同国内で再び大規模な内戦が起きれば、周辺国を含めた地域全体の不安定化につながりかねない。直接の経済的なつながりが薄い地域であっても、紛争の予兆をこの段階で把握しておくことは、今後の人道危機や地域情勢の変化を理解するうえで意味がある。