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アムステルダム公立図書館、木造の解体可能な新館開設

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オランダ・アムステルダムの公立図書館OBAが、木造の新施設「OBA Next Lab(OBAネクスト・ラボ)」を開設した。設計はオランダの建築事務所マター・メーカーズ、AWR、BAZスタジオの3社。地域に開かれた「公共のリビングルーム」として構想された建物だ。デザイン誌Dezeenが8月19日付で紹介した。

何が起きたのか

施設が建つのは、アムステルダム南東部ザイドオースト地区の、これまで使われていなかった公共広場。延床面積1175平方メートルの木造で、図書館のほかに映画館、カフェ、イベントスペースを備える。

設計3社によれば、建物は「知識の共有のされ方における世代的な変化」への応答だという。引き込み式の壁やカーテンの間仕切り、可動式の家具を備え、空間を容易に組み替えられるようにした。マター・メーカーズ創設者のアントワーヌ・ファン・エルプ氏はDezeenの取材に「デジタルネイティブの世代のために図書館を再構想した。伝統的な書架の並びというより、無数のやり方で知識が共有される、活気あるコミュニティハブだ」と語り、「多面的な学習空間は中央のアトリウムを軸に構成されていて、そこが近隣にとってのリビングルームとして機能する」と説明している。

デザインの中心に据えられたのは、館内のアトリウムから屋外の広場へと流れ出すように続く、パステルピンクの階段状の「座る丘(シッティング・ヒル)」だ。植栽を組み込んだこの造作について、ファン・エルプ氏は「座席と場づくりの両方の役割を果たす立体物」だと述べ、「その上で遊んでもいいし、植物の陰の隠れた一角で本を読んでもいい。映画の上映や講演、ワークショップのときに腰掛ける場所にもなる」と語っている。

背景

建物は、24個のプレハブ式の解体可能なユニットを組み合わせて建設された。ユニットは、はめ込み式(ドライフィット)のパネル・柱・梁でできており、基礎にもプレキャストのスラブを使って、現場打ちコンクリートを避けている。あらわしになった木の梁が、吹き抜け2層分のガラス張りアトリウムを縁取る。図書室や作業スペース、ものづくりの工房を収めたL字形のブロックは、ガラスの内壁越しにこのアトリウムを見下ろし、カーテンで採光と視線の抜けを調整できる。外観は、ガラス張りの1階の上部を細い木製の縦格子とルーバーの帯が覆って上階に日陰をつくり、掘り込んだ屋根には再利用の太陽光パネルを載せた。

この施設は「Next Lab」と呼ばれるより大きな計画の最新段階にあたり、スラウスビュールト地区での試験的な取り組みに続くものだ。使用期間は7年間と最初から決められており、その後は解体して別の場所に移設される。それを可能にしているのが、このモジュール式の木造構造である。

日本にとっての意味

この事例の核心は、「7年で解体して移設する」ことを最初から織り込んだ公共建築だという点にある。日本では公共施設は長く使うことが原則とされる一方、人口減少で施設の統廃合が各地で進んでおり、期間を区切って建て、需要が変われば建物ごと動かすという発想は、公共投資のあり方への一つの示唆になる。それを支えるのが接着や現場打ちに頼らない木造のモジュール構法で、中大規模の木造建築を広げようとしている日本の建築界にとっても参考になる作りだ。

また、図書館を本の保管庫ではなく人が集まる場として設計し直す動きは、近年の日本の公立図書館の新築・改築とも重なる。館内から広場へ続くピンクの「座る丘」のように、建物の内と外の境目を緩めて公共空間へ開いていく手法は、中心市街地のにぎわいづくりに取り組む日本の自治体や設計者にも示唆に富む。