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エアコンなし猛暑14日サバイバル、パリ舞台の異色ゲーム発売

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ゲーム開発会社ブルー・フッド・ゲームズが、サバイバルゲーム「Europe Heatwave Simulator(ヨーロッパ・ヒートウェーブ・シミュレーター)」を発売した。エアコンのないパリのアパルトマンで、14日間の熱波を生き延びるという内容だ。デザイン誌Dezeenが8月18日付で伝えた。

何が起きたのか

ゲームはWindowsデスクトップ向けにSteamで配信されている。プレイヤーが放り込まれるのは、室温42度のパリのアパルトマン。エアコンなしでこの暑さと2週間付き合いながら、熱がこもっていく体を冷やし、水分と食事をとり、そのうえダイニングテーブルのノートパソコンでリモートワークまでこなさなければならない。

開発元はこの作品を、「エアコンのない現代ヨーロッパの夏という過酷な現実」を主題にした「ダークユーモア」のゲームだと説明している。グラフィックは初期プレイステーションを思わせる粗いローポリゴン調で、ゲーム中の大きな判断のひとつは、窓を開けて蚊を招き入れるか、閉め切って自然の風を諦めるかというもの。米アマゾンに似た弧を描く矢印のロゴを掲げる「Greedco(グリードコ)」という会社から、割高な扇風機や保冷剤、ガジェットを注文することもできる。

トレーラー映像で開発元はこのゲームを「実際の出来事に基づく」と紹介しており、映像には、スーパーのリドルを思わせる店舗で、買い物客たちとエアコンを奪い合う場面も登場する。

背景

ヨーロッパでは今年の夏も各国で厳しい熱波が続いている。フランスでは5月と6月に記録的な高温が観測され、それがその後の国内の山火事の拡大にもつながった。室温42度のアパルトマンという設定は誇張ではあるものの、下敷きにあるのは現実の気象だ。

Dezeenは近年、デザインの文脈でゲームを取り上げる機会が増えており、紙のように薄いテトリスを組み込んだ雑誌の表紙や、アート集団による時事風刺のレトロアーケードゲームなども紹介してきた。社会の出来事をゲームという形式で語り直す作り手が、デザインの世界でも目立ってきている。

日本にとっての意味

日本の夏はエアコンの使用が熱中症対策の前提として語られるが、ヨーロッパでは住宅にエアコンがないことは珍しくなく、熱波のたびにその脆弱さが問題になってきた。「エアコンなしで14日間」という設定がそのままゲームとして成立してしまうこと自体が、ヨーロッパの住環境と気候の変化のずれを物語っている。

猛暑や気候変動を扱う表現というと、日本では報道やドキュメンタリーが中心だが、この作品は皮肉の効いたサバイバルゲームという形で同じ主題を扱う。深刻な問題を笑いに変えながら体験させる手法として、ゲームがひとつの批評の媒体になっている例といえる。Steamで配信されているため日本からも入手でき、今年の夏を過ごした身には妙に生々しい遊びになるかもしれない。