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オランダ、切妻屋根1つに2軒の家 テトリス状に設計

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オランダ・ユトレヒト州の村コーテンで、1つの切妻屋根の建物の中に2家族の住まいをかみ合わせて収めた住宅「CoHouse(コーハウス)」が完成した。設計はアムステルダムの建築事務所ウォーンピオニールス(Woonpioniers)。地元自治体の規制により2軒を単一の建物にまとめる必要があり、事務所が「テトリスのゲーム」と呼ぶ、互いに組み合う平面で解決した。デザイン誌Dezeenが8月16日付で紹介した。

何が起きたのか

この住宅は、コーテンの川沿いの緑豊かな敷地を共同で購入した2つの家族のために設計された。延床面積237平方メートルのコハウジング(共同住宅)で、同じ規模の2つの住戸が上階で互いに重なり合う構成をとる。

ウォーンピオニールスのパートナー、レーン・ボーヘルト氏はDezeenの取材に「2つの家族が一緒に家を建てることを選んだが、自治体は両方の住まいを単一の建物のボリュームに収めることを求めた」と語る。「私たちはこれに、同等でありながら異なる2つの住まいをかみ合わせることで応えた。庭、眺め、プライバシー、日当たりを最大限に生かすため、2つの住まいはテトリスのゲームのように、互いを軸に慎重に回転させて配置している」

各住戸は家族それぞれの要望に合わせてつくられ、一方の住戸からは囲われた庭を、もう一方からは周囲の田園風景を望むように平面が向きづけられている。共用の玄関まわりを通って、どちらの住戸も1階のオープンプランのキッチン・ダイニングへとつながり、大きな開口部が「住まいと共有の庭の境界を和らげる」ように設けられた。

一方の住戸では、吹き抜けが1階のダイニングに光を落とし、その脇の木の階段で上階の4つの寝室と浴室へ上がる。もう一方の住戸はより閉じた構成で、上階に4つのゆったりした寝室を備える。

背景

両家族はともに、環境負荷の低い住まいを求めた。ウォーンピオニールスによれば、その結果、構造は木造の軸組に直交集成板(CLT)の床、断熱には木質繊維を使う構成となり、2つの住戸を隔てる界床には生物由来の素材による遮音層が組み込まれた。ボーヘルト氏は「建築家にとっても2つの家族にとっても、中心にあったのは、環境への影響が小さい、健康的でエコロジカルな、生物由来の素材による住まいをつくることだった」と述べ、「これが木材を基本とする構法につながったが、同時に防火と遮音には入念な解決策が必要になった」と話す。

エネルギー面では、地中熱ヒートポンプ、熱回収換気システム、太陽光発電の屋根で住まいの需要をまかなう。南面と西面には日射を遮る外付けの日よけを設け、外壁は木の板張りと塗り壁で仕上げた。屋内はあらわしの木の面に、グレー系の床材と落ち着いた色調を合わせている。

ウォーンピオニールスは同じユトレヒト州で、2つの切妻ボリュームからなる木質内装の住宅を最近完成させたほか、森の中に大きな窓と高い曲面の内部空間を持つプレハブの木造キャビンを手がけたこともある。

日本にとっての意味

日本で二世帯住宅といえば親世帯と子世帯の同居がほとんどだが、CoHouseは血縁のない2家族が土地を共同購入し、1棟を分け合って建てた例である。気の合う世帯同士で敷地と建物を分担し、土地や建設費の負担を抑えるという選択肢は、日本の都市近郊でも検討の余地がある。

また、自治体の規制で「1つのボリューム」を求められたことを制約ではなく設計の起点に変え、パズルのような断面で2家族の暮らしと独立性を確保した点は、景観規制のある地域で住宅を設計する際の参考になる。木造軸組にCLT床、木質繊維断熱、界床の遮音と防火という構成も、木造の中で複数世帯を仕切る日本の設計課題とそのまま重なる。