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英自然史博物館、80年非公開の展示室を9月に再公開

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ロンドン自然史博物館(Natural History Museum, London)が、第二次世界大戦以来80年以上一般公開されてこなかった展示室を、現地の9月16日に再公開する。「Nature and Us(自然と私たち)」と名付けられた新しい展示では、人類と自然の関わりをテーマに、動物の骨格から新石器時代の道具、ポップカルチャーの品まで50点が並ぶ。

何が起きたのか

再公開されるのは、1911年当時の写真が残る歴史的な部屋で、もとは骨や哺乳類標本を展示する「osteology(骨学)ギャラリー」として使われていた。

展示品にはヴィクトリア朝時代に「話すサカナ」として見世物にされていたアザラシ「ジェニー」の骨格、英国でのイヌの家畜化の初期例とされるゴフズ・ケーブ(Gough’s Cave)出土の1万4300年前の犬のあごの複製、そして1980年代のスターウォーズの玩具に外肛動物(コケムシ、bryozoan、サンゴに似た水生無脊椎動物)が付着したものまで含まれる。

フランスの採石場で見つかった40万年前の握斧(handaxe)も、ケナガマンモスの遺骸とともに展示される。この握斧は1859年5月26日、ダーウィンの『種の起源』出版の半年前に英王立協会(Royal Society)で発表され、「時の壁を打ち破った石」と呼ばれた経緯がある。ほかにも、1854年に初めて公開され現在はロンドンのクリスタル・パレス公園(Crystal Palace Park)に立つ有名な恐竜像の、ヴィクトリア朝時代のミニチュア模型も見どころの一つだ。

博物館のダグ・ガー(Doug Gurr)館長は声明で「この見事なギャラリーの再開は心躍る瞬間だ。80年以上ぶりに、来館者はこの美しく歴史ある空間に足を踏み入れ、自然との関係の変化を探ることができる」と述べている。

背景

この部屋が閉ざされた理由は、戦争の記録にある。第二次大戦中、自然史博物館の敷地では科学者が戦時下の研究に従事し、一部の展示室は英国の諜報機関の訓練にも使われていたとされる。空襲で館内の窓は割れ、植物標本を収めた「ゼネラル・ハーバリウム(General Herbarium)」を含む複数のコレクションが損傷した。

破壊を免れた植物標本を収容する必要に迫られた結果、もともと骨格や哺乳類標本を展示していたこの部屋は植物標本の保管庫に転用され、動物標本は別の収蔵スペースへ移された。1950年に撮影された記録写真には、ハーバリウムとして使われていた当時の姿が残っている。以来80年以上、この部屋は一般公開の対象から外れてきた。

今回の再開は、2031年の開館150周年に向けて博物館が毎年1つのギャラリーを新設・改修する「NHM150」という資金調達プロジェクトの一環に位置づけられている。「Nature and Us」展は18か月間の期間限定展示で、博物館はこれと並行して、2029年に同じテーマを扱う常設ギャラリーの開設を目指しているという。英自然環境研究会議(Natural Environment Research Council)でコミュニティとの連携を統括するクレア・アンドリュース(Claire Andrews)氏は声明で、この展示が、来館者が自然との関係を見つめ直し、科学が地球のためにどう行動を後押しできるかを考えるきっかけになると期待を寄せている。

日本にとっての意味

自然史博物館は、外壁に絶滅種と現生種の動植物を彫った装飾が施されたヴィクトリア朝の建築で、建物そのものも見どころとされる。今回再公開される一角は、これまであまり知られてこなかった部屋にあたる。80年ぶりに開く展示室というのは特別な話であり、現地の9月16日以降にロンドンを訪れる予定がある人にとっては、常設の目玉展示とは別に立ち寄る価値のある新しい見どころになりそうだ。

また、この博物館が150周年に向けて毎年1つずつギャラリーを更新していく計画を進めている点も、今後数年、ロンドン旅行のたびに新しい展示に出会える可能性を示しており、リピーターにとっても注目材料になる。