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スイスの建築家、無料DLできる42平米木造住宅の設計図を公開

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スイスの設計事務所プラナ・アーキテクチャーを主宰する建築家クリスティヤン・マルコッチ氏が、床面積42平方メートルの木造住宅「Plana House」の設計図一式を、無料でダウンロードできる形で公開した。寝室2つの「意図的につつましい」住宅で、どんな敷地にも合わせられることを狙って設計されている。

何が起きたのか

Plana Houseは切妻屋根の平屋で、長方形の平面は2つの翼に分かれる。片側にオープンなリビング・ダイニング・キッチン、反対側に寝室2室と浴室が入る。幅4メートルの空間だが、切妻なりの天井が広がりを生み、連続する窓が室内に光を引き込む。

構造は単純な木造軸組で、効率を重視した構造グリッドに基づく。マルコッチ氏はモジュール建築に携わってきた経験を生かし、「建物をできる限り効率的で経済的にする」ことを目指したと説明する。公開されたレンダリング(制作はトム・ステピンス氏)では、外装全体が木製パネルで覆われ、どこにでもある標準的な資材で建てられる姿が示されている。外装材は地域の気候や入手のしやすさ、予算に応じて変えられる想定で、基礎もスクリューパイル(ねじ込み式の杭)か独立基礎を選べる、地面への負荷が小さいつくりだ。

設計は英国とアイルランドの建築基準に沿っている。ただしマルコッチ氏は、実際に建てる際には「すべての寸法・詳細・工法を、資格のある建築士などの専門家が地域の建築規制や敷地条件に照らして確認し、適合させる必要がある」と明言している。同氏自身も、Plana Houseのプロトタイプを建てる計画を持っている。

背景

無料公開の根底には、家づくりの知識をめぐる問題意識がある。「かつて、家を建てるのに必要な知識の多くは、家を建てて住む人々や共同体が共有していた」とマルコッチ氏はDezeenに語る。「Plana Houseは、建築図面の完全な一式を無料で使えるようにすることで、その知識の一部を共有財に戻そうとする試みだ。図面を資料として使い、自分の家を理解し、手を加え、場合によっては自分で建てられるようにしたい」

設計の優先順位も、手頃さ、適応性、分かりやすい建設プロセスに置かれ、住み手を家づくりの過程に引き戻すことが柱になっている。「構造はどの地域の金物店でも買える資材でできていて、単純で見慣れた形だから、まったく異なる地域の風景にも自然になじむ」と同氏は言う。

日本にとっての意味

小さな住宅の「型」を共有し、各地で建てるという発想には、日本に有名な先例がある。建築家の増沢洵が1952年に自邸として建てた「最小限住居」は建築面積9坪(約30平方メートル)の木造住宅で、吹き抜けで狭さを補う構成が戦後の小住宅の型となった。2000年代にはこれをリメイクした商品化企画「9坪ハウス」が展開され、複数の建築家が同じ原則を共有しながら各地に小さな家を建てている。

一方で、日本で無料図面から家を建てる場合も、多くの地域で建築基準法に基づく確認申請が必要で、図面がそのまま家になるわけではない。この点は、資格者による確認を必須とするマルコッチ氏の注記と重なる構図だ。設計図をコモンズ(共有財)として開放する試みが、各国の建築制度とどう折り合っていくかも含めて、セルフビルドや小屋づくりに関心を持つ日本の読者には示唆の多いプロジェクトといえる。