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ガンビアで停電長期化、数千人が抗議デモ 大統領は国家安全保障の問題と表明

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西アフリカのガンビアで停電が長期化し、首都バンジュールとその周辺で現地時間の9月7日夜、数千人が路上に出て抗議デモを行った。タイヤを燃やし、道路を封鎖して大統領の退陣を求めるデモとなった。翌8日、アダマ・バロウ大統領は冷静な対応を呼びかけ、事態の収束を図った。

何が起きたのか

ガンビアでは現地の6月ごろから停電が続いており、最近になって頻度が増し、停電時間も長くなっていた。住民によると、丸一日電気が来ない日もあれば、昼と夜のどちらかだけ電気が使える日もあり、一度の停電が6〜7時間に及ぶこともあるという。こうした状況への不満が積み重なり、現地時間9月7日夜の大規模な抗議行動につながった。

魚売りのニイマ・ソンコさんは「電気がないせいで商売が立ち行かない」と訴えた。冷蔵・冷凍ができないため、仕入れた魚が傷んでしまい、生計の手段そのものが失われつつあるという。また、市場の商人ジュラ・ジャーニュさんは、氷が作れないため、最大で300ダラシ(ガンビアの通貨)ほどする鶏肉を冷やしておけないと語った。

バロウ大統領は今回の停電を「国家安全保障に関わる問題」と表現し、来月までに電力供給を増やすと約束した上で、国民に忍耐を求めた。ガンビアでは現地の12月に大統領選挙が予定されており、バロウ氏自身も再選を目指して出馬する見通しだ。

背景

当局は今回の停電の原因について、気候変動と、イランでの戦争による供給網の混乱を挙げているというが、これはあくまで当局側の説明であり、その因果関係が独立に確認されているわけではない。気温の上昇で冷房などの電力需要が増える一方、供給側に何らかの制約が生じ、需給のバランスが崩れた可能性がある。

ガンビアのように人口や経済規模が小さい国では、発電設備や送電網の余力が乏しく、需要が少し増えただけでも停電が長引きやすいとみられる。燃料の調達先や部品の供給が海外に依存している場合、遠い地域の情勢変化が電力供給に直接影響することも珍しくないとみられる。

また、選挙を数か月後に控えた時期の停電は、単なるインフラの不具合にとどまらず政治問題化しやすい。生活への打撃が可視化されやすい停電は、現職への不満が集中する争点になりやすいとみられる。

日本にとっての意味

今回のデモの背景にあるのは、電気が止まると氷や冷蔵ができなくなり、その日仕入れた魚や肉がそのまま傷んでしまうという、生活と直結した「コールドチェーン」の脆弱さである。日本では停電が数時間に及ぶこと自体まれだが、災害時の停電で冷蔵設備が止まり食品ロスが発生する構図は共通しており、電力インフラの安定がいかに生活基盤を支えているかを改めて示す事例といえる。

また、気温上昇に伴う電力需要の増加という要因は、猛暑が続く近年の日本にとっても他人事ではない。夏場の電力需給逼迫は日本でも繰り返し議論されてきたテーマであり、供給余力の乏しい国ほどその影響が深刻な形で表れることが、ガンビアの事例からうかがえる。

さらに、日本の大手メディアではこうした西アフリカの小国の電力問題や抗議デモが単独で報じられることは多くないとみられる。開発途上国のインフラがどれほど脆弱な基盤の上に成り立っているかを知ることは、国際協力や援助のあり方を考える上でも一つの手がかりになる。