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リビア対立2勢力、選挙管理委員会の再編と2年以内の選挙で合意

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リビアで対立してきた二つの勢力が、選挙管理委員会の立て直しと2年以内の議会選・大統領選実施で合意した。国連安全保障理事会はニューヨーク時間の9月8日、この合意を「重要な一歩」と歓迎する声明を出した。リビアで全国規模の選挙が行われないまま10年以上が過ぎており、今回の合意は長年こう着していた交渉の突破口とされる。

何が起きたのか

合意は現地時間の8月30日にまとまった。舞台となったのは、国連リビア支援ミッション(UNSMIL)が仲介する「スモーラー・コンビーニング(Smaller Convening、少人数の関係者だけで交渉する枠組み)」と呼ばれる交渉の場だ。

合意の柱は二つある。一つは、選挙を運営する機関である高等国家選挙委員会の理事会を組み直し、リビアの三つの地域すべての代表が入るようにしたこと。もう一つは、議会選・大統領選の法的枠組みを改正し、統一された単一の政府のもとで2年以内に両選挙を実施すると定めたことだ。

交渉の進め方自体にも意味がある。UNSMILはこれまでのように二つの議会勢力と個別に交渉するのではなく、トリポリを拠点とする国民統一政府、東部を拠点とするリビア国民軍の司令部、そして両方の議会関係者を一つの場に集めて協議した。国連リビア支援ミッションのハンナ・テッテ特別代表は、この合意について「長年、障害になってきた問題を乗り越える助けになった」と述べている。

合意は、選挙実施を阻んできた二つの最大の争点を解決した。選挙管理委員会の理事会構成をめぐる対立と、議会選の成否を大統領選の実施に結びつけていた規定である。ただしテッテ氏は、政治指導者の間だけでなく、リビアの一般市民の間でも信頼はなお脆いと警告している。UNSMILは2025年12月から2026年6月にかけて、リビア各地から120人を集めた対話を実施しており、信頼の醸成はこの対話を土台にしているという。

安全保障理事会は声明で、UNSMILとテッテ特別代表への「全面的な支持」を改めて表明し、リビアの政治指導者たちに合意の履行へ早急に動くよう促した。

背景

リビアの東西対立は、2011年の内戦と国際的な軍事介入によってムアンマル・カダフィ政権が崩壊したことに遡る。政権崩壊は国家機構の解体を招いた。治安機構は分裂したまま、正統性や権限、そして石油を軸とする経済の主導権をめぐる対立が繰り返されてきた。西部のトリポリを拠点とする国民統一政府と、東部を拠点とする勢力という、事実上二つの統治機構が並び立つ状態が続いている。

この構図のもとで、選挙をどのように実施するかという技術的な取り決めそのものが、政治的な駆け引きの道具になってきた。選挙管理委員会の構成や、議会選と大統領選の実施順序といった規定は、一見手続き上の細部に見えるが、どちらの陣営が有利になるかを左右するため、これまで合意に至らなかった。テッテ氏が女性への嫌がらせも課題として挙げたように、選挙をめぐる対立は制度面だけでなく、参加する個人への圧力という形でも表れている。対話に参加した120人のうち35%を女性が占めたといい、テッテ氏はより強い法的保護が必要だと訴えている。

日本にとっての意味

リビア情勢は日本から遠い話に見えるが、接点はいくつかある。まず地理的な位置だ。リビアが面する地中海南岸は、スエズ運河からジブラルタル海峡へと抜ける航路に近く、日本の商社や海運会社が利用する国際物流ルートの一部と隣り合う。北アフリカの政情が不安定化すれば、周辺海域の安全や物流コストに間接的な影響が及びうる。

もう一つは資源経済の側面だ。リビアは石油を軸とする経済で、同国の政情は産油国としての生産や輸出の安定性に関わる。産油国の政治的安定は、日本が輸入するエネルギー価格の変動要因の一つとして意識されている。

加えて、日本は国連の主要な財政拠出国の一つとされ、UNSMILのような国連の政治ミッションの活動は、日本が資金面で関わる国際的な取り組みの一つでもある。安保理の短い歓迎声明だけでなく、当事者どうしがどのような取り決めに至ったのかを知ることは、こうした国連の現場での仲介がどう機能しているかを理解する手がかりになる。