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ニジェール軍政、兵士の反乱未遂の2週間後に参謀総長2人を任命

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西アフリカのニジェールで、軍事政権を率いるアブドゥラハマネ・チアニ(Abdulrahmane Tiani)将軍が、国防参謀総長と陸軍参謀総長に2人の将官を任命した。首都ニアメーで起きた兵士らの反乱(mutiny)未遂からおよそ2週間後の人事となる。反乱はロシアの準軍事組織の支援も受けて鎮圧されたが、軍内部の不満の根深さを改めて浮き彫りにした。

何が起きたのか

国営放送局テレ・サヘル(Télé Sahel)のアバリ・アミティ(Abari Amitti)局長は、現地時間の9月11日、ママネ・サニ・キアウ(Mamane Sani Kiaou)准将を国防参謀総長に任命すると発表した。国防参謀総長は軍全体を統括する立場とされる。同時に、アブドゥラハマネ・アブ・ザタカ(Abdourahmane Abou Zataka)准将が陸軍参謀総長に任命されたことも明らかにされた。

この人事の背景には、8月下旬に首都ニアメーで起きた兵士らの反乱未遂がある。ニアメー市内の重要拠点を標的にした一部の兵士らによるもので、政権を握るチアニ将軍の追放を狙ったとされる。国軍とロシアの準軍事組織が鎮圧に当たり、その後数十人の兵士が拘束されたと伝えられている。

反乱鎮圧の翌日には市内に平静が戻り、当局を支持する集会が開かれたことも報じられている。ニジェール側はこの反乱をフランスが扇動したと非難したが、フランスは関与を否定している。

背景

ニジェールでは2023年、チアニ将軍が軍事クーデターで政権を握り、当時のモハメド・バズム(Mohamed Bazoum)大統領を追放した。以来、軍事政権はフランスをはじめとする欧米の伝統的な安全保障パートナーとの関係を断ち、ロシアへの接近を進めてきたとされる。

今回の出来事は、軍の内部で一部の兵士らが指揮系統に背く形で起きた反乱だと伝えられている。政権を握った軍が、今度は自らの軍内部からの造反に直面した形になる。

背景には、サヘル地域で武装勢力の攻撃が深刻化し、治安部隊に死傷者が相次いでいることが軍内部の不満を高めているという指摘がある。ニジェールを含むマリ、ブルキナファソの軍事政権3カ国は、いずれも欧米と距離を置き、国際刑事裁判所(ICC)からの脱退を進めるなど、既存の国際的な枠組みから離れる動きを強めている。今回の参謀総長人事も、こうした軍内部の動揺を抑える狙いがあるとみられるが、前任者が交代した事情や反乱への関与の有無は明らかになっていない。

日本にとっての意味

ニジェールは世界有数のウラン産出国とされ、フランスの原子力大手オラノ(Orano)が同国で採掘権益を持ってきたとされる。日本の原子力発電はウランを海外からの輸入に頼っており、供給網の一角を占める西アフリカの政情不安は、原子力燃料の調達を巡る地政学的なリスクとして間接的に関わってくる。

また、ニジェールでの欧米離れとロシアの影響力拡大は、フランスなど旧宗主国と新興大国ロシアがサヘル地域で影響力を競う構図の一例であり、日本が資源外交やアフリカ支援を考えるうえでも参考になる事例だ。サヘル地域の武装勢力による攻撃は周辺国にも波及するとみられており、西アフリカで事業を行う日本企業や現地に渡航する日本人にとっても、治安情勢の変化を注視する材料となる。

資源と安全保障の両面で日本に関わる地域の変化を読む手がかりとして、押さえておく価値がある。