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ゴヤの未知作品か バルセロナ画商、輸出許可申請で浮上

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スペイン文化省は、バルセロナの画商アルトゥール・ラモンが所有する宗教画について「1780年頃のフランシスコ・デ・ゴヤの未知の作品と見られる」との見解を示した。この判断は、ラモンが海外の美術見本市に出品するため申請した輸出許可を審査する過程で下されたものだ。作品は2028年にプラド美術館で開くゴヤ没後200年の展覧会に出品される予定という。

何が起きたのか

問題の作品は「聖パスクアル・バイロンへの聖体出現の奇跡」と題する宗教画で、聖パスクアルが幻視を見ている場面を描いている。ラモンは2018年、マドリードの競売でこの作品を、ゴヤの義兄で師でもあった画家フランシスコ・バイユーの作として購入した。

新型コロナウイルスの流行でロックダウンが続いた時期、ラモンは自宅に置いた作品を見つめる時間が増え、手の描き方など様式上の特徴に疑問を持ち始めたという。匿名を条件とする複数の専門家に相談した後、ラモンは輸出許可を申請するという方法で確信が正しいかを確かめることにした。オランダ・マーストリヒトのTEFAF美術見本市に出品するための申請だったが、輸出許可の審査ではプラド美術館が作品を評価する仕組みになっている。

申請は却下された。文化省はThe Art Newspaperに対し、「より詳細な調査と複数の専門家による検証がない現状では、これは1780年頃のフランシスコ・デ・ゴヤの未知の作品であることを、すべてが示しているように思われる」と説明した。

プラド美術館の広報も、この作品が2028年の展覧会に含まれることを確認している。同館の版画・素描部門責任者ホセ・マヌエル・マティーリャは、展覧会の準備が作品を精査し帰属を確定または修正する機会になると述べ、「出発点としては、これはゴヤの作品だという前提に立っている」と話す。

作品はまず2026年10月、ラモンの画廊創業100周年の展覧会で公開される。

背景

スペインでは、重要な美術品を国外へ持ち出す際に文化省の輸出許可が必要になる場合があり、その審査の一環としてプラド美術館のような国立美術館が作品の価値を評価する。今回はこの仕組みが、専門家による事実上の鑑定として働いた形だ。

ロンドンのウォレス・コレクション館長でゴヤの宗教画を専門とするグザビエ・ブレイは、ゴヤの画風が生涯を通じて大きく変化したため、とりわけ初期の宗教画は帰属の判定が「ちょっとした地雷原」だと語る。この作品についても、ゴヤの作とはっきりとは言えないが、そうでないとも言い切れず、判断の境界線上にあるものだという。

日本にとっての意味

スペインでは所有者の輸出許可申請が国の専門家評価を引き出した。日本で所有者の申請から国の審査が始まる仕組みは、平成10年法律第99号に基づく登録美術品制度である。所有者が文化庁長官に登録を申請すると、長官は有識者の意見を聴いて登録の可否を決める。文化庁は、登録の可否は価格ではなく美術的な価値で判断し、登録時に価格の評価は行わないと明記している。

スペインの輸出審査が事実上の帰属認定として機能した今回のケースとは対照的だ。日本ではむしろ、制作者を伝承上の帰属として記した刀剣が、留保つきのまま登録簿に載っている例がある。文化庁の令和5年度行政事業レビューでは、令和3年の登録基準緩和後も申請数は増えていないとされ、制度自体の活用がまだ広がっていない実態もうかがえる。