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研究者拉致事件でエジプト治安要員3人に禁錮10年 伊裁判所

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2016年のイタリア人研究者拉致事件をめぐり、ローマの裁判所は2026年9月28日(現地時間)、エジプトの治安当局者3人に禁錮10年の判決を言い渡した。3人はいずれもエジプトの治安機関に所属していたとされる。10年以上にわたって伊エジプト関係を揺さぶってきたこの事件が、判決という形でひとつの区切りを迎えた。

何が起きたのか

ローマの裁判所は2026年9月28日(現地時間)、2016年のイタリア人研究者拉致事件について、エジプトの治安当局者3人に禁錮10年の判決を言い渡した。3人はこの拉致への関与を理由に訴追されていた。今回の判決は、伊エジプト両国の関係を長く試してきたこの事件の大きな節目とされている。

背景

外国の公務員を、その行為があった国の協力なしに本国の裁判所が裁くのは難しい。捜査協力や証拠提供、そして被告人の身柄引き渡しが相手国から得られなければ、審理を進める手段は限られる。イタリアの刑事手続きには被告人が出頭しないまま審理を進める仕組みがあり、今回の判決も被告人不在のまま言い渡された。

この事件は発覚直後からイタリアとエジプトの外交関係に影を落としてきた。イタリア国内では真相究明を求める声が根強く残ってきた。両国は事件が未解決のまま関係を維持してきた一方、この事件をめぐる立場の隔たりは埋められないままきた。

日本にとっての意味

日本の刑法にも、外国で日本国民に対して犯罪を行った外国人を処罰できる規定がある。刑法3条の2は、国外で日本国民に対し殺人や傷害、逮捕監禁、略取誘拐などを犯した外国人に日本の刑法を適用すると定めている。加害者が外国の公権力の要員であっても、この規定自体は及ぶ。

しかし、そこから先の道筋はイタリアと異なる。刑事訴訟法286条は、軽微な事件を除き、被告人が公判期日に出頭しなければ開廷できないと定めている。日本の刑事裁判は原則として、被告人不在のまま判決に至る経路を持たない。今回のイタリアの判決は、身柄の引き渡しがないまま審理を進めて有罪を言い渡したが、そうした出口は日本の制度には用意されていない。