エチオピアとエリトリア、外交関係を断絶 ティグライ戦闘激化で
エチオピアとエリトリアが外交関係を断絶した。エチオピア北部ティグライ州での戦闘が再び激しくなるなか、エチオピア政府がエリトリアの関与を非難したことがきっかけで、両国は国交を事実上失った。
何が起きたのか
エチオピア政府は、隣国エリトリアがティグライ人民解放戦線(TPLF)を支援していると非難した。TPLFは隣接するアファール州とアムハラ州にも攻撃を広げているという。エチオピアはこれを受けてエリトリア外交官10人の国外退去を命じ、首都アスマラにある自国大使館を閉鎖すると発表した。エリトリア側は「他に選択肢がなかった」として、相互主義で外交関係を断つと応じた。
9月下旬に戦闘が再燃し、数百人が死傷したと伝えられる。国境なき医師団によると、ティグライ各地の病院で700人以上の負傷者が治療を受けた。援助団体は数千人が避難を強いられていると指摘している。
首都アディスアベバの軍司令部で爆発が起きたと報じられた。原因や被害は不明だが、戦闘が首都に波及する懸念が強まっている。政府側は複数の町を奪還したと主張しているが、通信が制限されており独立した検証は難しい状況だという。
背景
エチオピアとエリトリアは1998年から2000年にかけて国境紛争を戦い、長く国交が断絶した状態が続いたとされる。2018年にアビィ・アハメド首相が就任すると両国関係は急速に改善したとされる。その後2020年、エチオピア北部ティグライ州でTPLFと連邦政府軍の軍事衝突が始まると、エリトリア軍が連邦政府側を支援して介入したとみられる。両国の協調関係は、この内戦をきっかけに強まった側面がある。
2022年に停戦が成立したとされるが、TPLFをめぐる対立の火種は消えておらず、今回の戦闘再燃でエリトリアへの疑念が再び表面化した形だ。かつて戦火を交えた両国が、一度は和解しながら別の紛争をめぐって再び断交に至ったことになる。
日本にとっての意味
両首都のうちアスマラには、日本の公館がこの数年で相次いで整ったばかりだった。2022年1月に在ケニア日本国大使館の分館として兼勤駐在官事務所が設置され、2025年1月には在エリトリア日本国大使館が正式に開設された。初代特命全権大使の着任は2026年1月で、まだ1年に満たない。アディスアベバの在エチオピア日本国大使館と合わせ、互いに外交関係を断った2つの首都の両方に、日本の外交窓口がようやく揃った直後の出来事となる。
一方、東京の駐日エリトリア大使館では2003年の開館以来同じ大使が在任を続け、2026年時点で外交団の中で最も在任期間が長い駐日大使として外交団長を務めている。