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5ミリ角のスレート5万枚超で覆った上着 英Vollebak、石の服「Rock Jacket」を試作

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英国の衣料ブランドVollebak(ボールバック)が、スレート(粘板岩)の小片で表面をすべて覆った一点物の上着「Rock Jacket」をつくった。同ブランドはこれまでも、グラフェンや銅、アメリカンウォールナット、鋼鉄の15倍の強さとされる繊維ダイニーマで上着をつくり、服の素材の常識を問い直してきた。今回はその最新作になる。

何が起きたのか

ブランドが「SF風のハリントンジャケット」と呼ぶこの上着は、5ミリ角、厚さ0.5ミリのスレートのタイル約5万4000枚を、ネオプレンの下地に貼り付けてある。タイルが小さく分かれているので、上着は体の動きに合わせて曲がる。

制作では、フランスの素材技術者スティーブン・ルプリゼ氏と組んだ。同ブランドは以前、レーザーで切ったウォールナット25万片で「Wooden Jacket」をつくっている。その際に使った、伸び縮みする寄せ木の技法「WooWood」を石に応用した。ルプリゼ氏によれば、素材づくりには50の工程があり、最も大事なのは、上着が曲がるようにタイルを正確な正方形にレーザーで切り出す工程だという。

背景

共同創業者のニック・ティドボール氏は、木や菌糸、金属で服をつくってきたので、次に挑むべきものの一つが石だと感じたと話す。石は世界で最もありふれた素材の一つであり、服の素材になるかを本気で確かめるべきだという。ただし、石の上着に本格的に挑んだ人はこれまでおらず、材料の調達から接着、仕立てまで、計画が終わりかけた場面が何度もあったと振り返った。

ブランドは、「何百万年もかけてできた」素材を使うことで、使い捨ての服という考え方に異を唱え、「最も古い素材との関係を考え直す」ことをねらうとしている。今後は、商品として成り立つ上着に仕上げ、2年後の発売をめざす。

日本にとっての意味

日本でスレートといえば、宮城県石巻市の雄勝(おがつ)で採れる雄勝石がある。宮城県によれば、黒く硬い粘板岩で、粒がそろい光沢があり、1396年ごろには既に硯の石として採られていたと伝わる。雄勝硯は1985年に国の伝統的工芸品に指定された。

この石は屋根にも使われてきた。2012年に復原を終えた東京駅丸の内駅舎の屋根について、工事を担った鹿島によると、天然スレート約43万枚のうち約8万枚は元の屋根から再利用した。駅舎中央部には、東日本大震災の津波を受けながら流されずに残った雄勝のスレートを使った。

Vollebakは「何百万年もかけてできた」石で使い捨ての服に異を唱える。東京駅の屋根では、元の屋根からはがした板を張り直し、津波をくぐった板まで生かした。石を服にできるかはまだ分からないが、薄い板にした石を長く使い回すことは、屋根ではすでに行われている。