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旧校舎を避難した42家族の住まいに 建築事務所オフィス・フォー・フューチャー、ウクライナのスタヴィシェで中庭型の改修計画

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建築事務所オフィス・フォー・フューチャーが、ウクライナの町スタヴィシェにある旧学校の校舎を、仮の住まいに改修する計画を発表した。計画の名は「ドヴィル」で、ウクライナ語で中庭を意味する。2022年に始まったロシアの侵攻で家を追われた42家族が、中庭を囲む住戸に暮らす。

何が起きたのか

スタヴィシェは首都キーウの南約140キロにある農村部の町である。校舎の中には、寝室が1〜3室の大きさの異なる住戸を42戸つくり、車いすなどで使いやすい住戸も数戸設ける。国内避難民の住まいを支援する慈善団体「ハウジング・フォー・IDP」が計画を支える。

住戸のほかに、住民どうしのつながりを育てる共用の空間を用意する。談話室や子どもの遊び場、集会の場を設け、地域の文化活動にも使えるようにする。建物の中央の中庭は植栽の庭に変え、もとのアスファルトの一部は通路として残す。既存の建物には太陽光パネルを載せた木の屋根を架け、住戸どうしは建物から独立して立つ木の渡り廊下で結ぶ。

背景

事務所が既存の校舎を選んだのは、なじみのある建物を使うほうが、住民がこの町に落ち着きやすいと考えたからだ。創設者のパオロ・ルッソ氏は、家を失う心の傷を負った人々をどう迎えるかを考えたと話す。旧学校は住民の記憶の一部であり、町の目印でもある。ここで生まれる新しいコミュニティが、スタヴィシェ全体に溶け込んでほしいという。

目標は2つあったとも同氏は述べる。新しい住民に質の高い住まいを保証すること、そして避難してきた人々ともとからの住民が知り合える場を町に提供することだ。歴史ある建物の再生を、紛争で傷ついた地域の立て直しにつなげる狙いがある。

ウクライナでは2026年に入ってからも、ユネスコの世界遺産に含まれる大聖堂や修道院など、重要な建物がロシアの攻撃で被害を受けている。

日本にとっての意味

廃校の活用が進む日本でも、校舎を住まいに変える例はまれだ。文部科学省の調査では、2024年5月1日時点で建物が残る廃校7612校のうち74.4%が活用されているが、用途として「住宅」が挙がったのは20件で、全体の0.2%にとどまる。学校や体育施設、企業の施設としての利用が大半を占める。

一方、避難した人の仮の住まいを、その後の町の暮らしにつなげる考え方は、2024年の能登半島地震で取り入れられた。石川県は地震の被災者向けに建てた応急仮設住宅6882戸のうち1603戸を、長屋型の「まちづくり型」や戸建て風の「ふるさと回帰型」の木造とし、入居期間が終われば市町営住宅に転用することを基本とした。輪島市の旧七浦小学校や珠洲市の旧日置中学校のように、廃校のグラウンドに建てた木造の団地もある。仮の住まいを撤去せずに町に残す点で、ドヴィルと発想が重なる。