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ゴッホ16点を買った収集家フェイエ、パリで大規模展

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パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトンで、現地時間10月9日から「ギュスターヴ・フェイエ 収集家・作家・デザイナー」展が始まった。会期は現地の2027年3月8日まで。フェイエ自身の作品を含む600点以上を、フランク・ゲーリーが設計した建物の4フロアに展示する、同財団にとって大規模な企画展である。

何が起きたのか

展示の中心は、フェイエが1901年から1909年にかけて買い集めたフィンセント・ファン・ゴッホの絵画16点のうち10点である。《アルルの公共庭園(詩人の庭)》や《耳に包帯をしてパイプをくわえた自画像》など、現在は個人蔵などに分散している作品が一堂に集まった。LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の会長ベルナール・アルノーは、フェイエを「近代美術史で最もよく守られてきた秘密の一つ」と評している。

フェイエはゴッホだけでなく、ポール・ゴーギャンやオディロン・ルドンの作品なども買い集めた。本人も画家・陶芸家・ワイン生産者・美術館の学芸員・壁紙や織物の図案家として活動し、買うことと作ることが地続きだった。展覧会の最上階には、彼自身の制作物が並ぶ。

背景

フェイエがこれらの作品を買った1900年代初頭、ゴッホもゴーギャンも、現在のような巨額の評価を得てはいなかったとみられる。フェイエが1901年に2000フランで購入した《アルルの公共庭園》は、彼が死去する直前の1924年には20万フランと評価されるまでになった。

フェイエが買い集めた作品群は、その後一括で美術館に収まったわけではなく、売却や相続を経てエルミタージュ、エルサレムの美術館や複数の個人のもとへ散っていった。

日本にとっての意味

日本の公共の場で見られる西洋近代美術の内容も、20世紀前半に個人がおこなった購入の判断に負っている。実業家の松方幸次郎は1916年から約10年、ヨーロッパで絵画や彫刻など総数1万点におよぶとされる作品を買い集めた。東京・麻布に用地を確保した私設美術館の計画は1927年の恐慌で頓挫し、日本に運ばれた分は売り立てで散逸し、ロンドンの保管分も1939年の火災で失われた。

パリに残った約400点は1951年のサンフランシスコ平和条約でフランスの国有財産となったが、1953年にフランス側が「東京にフランス美術館を創設すること」を返還の条件として示し、これが1959年の国立西洋美術館の開館につながった。