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フォルマファンタズマ、プラダとユネスコの海の科学展をデザイン 子どもにも分かる「入り口」をつくる

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イタリアのデザインスタジオ、フォルマファンタズマが、海の大切さを伝える展覧会「オーシャン・アンド・クライメート・ビレッジ」をデザインした。会場はイタリア・サルデーニャ島カリャリにある、プラダのヨットレースチーム「ルナ・ロッサ」の拠点で、海のすぐそばにある。一般公開は現地時間10月10日から15日まで。

何が起きたのか

展覧会は、ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)がプラダと共同で企画した。プラダは「巡回する科学展」と位置づける。構成は「ひとつの海」「気候のエンジン」「生物多様性」「海の異変」の4部で、生き物、気候、地質の動きがどうつながり、海が環境にどう影響するかを学べるようにした。

フォルマファンタズマは、イタリアの自然史博物館の職人と組み、アオガニやウミガメなど本物そっくりの生き物の模型をつくった。展示台は、分解して使い回せるアルミと木の軽い骨組みで、会期後はほかの場所に運べる。子どもも大人も分かるように、会場には高さの違う段を設けて子どもが楽しめるようにし、二酸化炭素や生物多様性といった言葉を説明するリーフレットも用意した。

IOCで上級計画官を務めるフランチェスカ・サントロ氏は開幕時、データやグラフ、研究をいくら示しても、専門家でない人には抽象的すぎると話した。だからこそ関心を引く「入り口」が要り、デザインを教育の道具として、また人の目を引く方法として使ったという。

背景

展覧会は、プラダの教育事業「シー・ビヨンド」の一環である。プラダ・グループによると、この事業はIOCと組んで中学・高校生に海を教えるもので、第3弾では世界56か国の184校から3万4385人が学んだ。フォルマファンタズマは、子ども向けに環境を教える絵本をつくり、2026年にはロンドンのサーペンタイン・ギャラリーの環境顧問にも就いている。

日本にとっての意味

この展覧会を企画したIOCの議長は日本人である。文部科学省によると、東京大学大気海洋研究所の道田豊氏が2023年6月に議長に選ばれた。1960年にIOCができて以来、日本人の議長は初めてで、2025年7月に再選され、任期は2027年6月までである。

日本でも、海の情報を一般の人に届ける工夫が進む。海上保安庁は「海しる」を運営している。政府機関が集めた海の情報を、地図の上に重ねて見られる仕組みである。東海大学によると、2023年12月には静岡キャンパスで、学生が海しるを使って地元の海を学ぶワークショップがあり、道田氏が基調講演をした。データをそのまま並べず、人が手に取れる形にするという点で、サントロ氏の言う「入り口」づくりと同じ方向を向いている。