トルコで独立系テレビ局ハルクTVを強制捜索、当局が管理人任命
トルコ・イスタンブールにある独立系テレビ局ハルクTVの本社が現地時間10月14日、警察に取り囲まれ強制捜索を受けた。トルコ当局は同局の運営に管理人(trustee)を任命し、経営の実権を握った。報道の自由の観点から抗議や批判の声が上がっている。
何が起きたのか
現地時間10月14日、トルコの警察がイスタンブールのハルクTV本社周辺にバリケードを設置し、同局を強制捜索した。放送は一時中断された。イスタンブール検察当局によると、捜索は同局会長に対する贈収賄、入札談合、犯罪収益の資金洗浄の疑いの捜査の一環で、17人に拘束令状が出され、11人が拘束された。会長は国外にいて容疑を否定し、政治的な動機によるものだと主張している。当局はこの捜索と合わせて、同局の運営を担う管理人を任命した。
背景
ハルクTVはトルコの独立系テレビ局として知られ、政権に批判的な報道を続けてきた。トルコは国境なき記者団による報道の自由度ランキングで180カ国・地域のうち163位で、独立系メディアは長年にわたり政治的な圧力を受けてきた。
会長に関係する企業が差し押さえられ、預金保険基金(TMSF)が管理人に任命された。ハルクTVはトルコの主要なニュース局として5例目の管理人任命にあたる。
日本にとっての意味
日本でも、放送局が放送を続けられるかどうかが番組内容ではなく資本側の条件で決まる経路がある。放送法は、外国人等の議決権が5分の1以上を占める事業者を認定の欠格事由とする外資規制を定めている。実際にこの規定で結論が分かれた例がある。
総務省は2021年3月、東北新社メディアサービスの「ザ・シネマ4K」の認定を外資比率の要件違反を理由に取り消しを決め、放送は同年4月30日で終了した。放送内容は理由に挙げられていない。一方、フジ・メディア・ホールディングスにも同種の違反があったが、総務省が報告を受けた時点で違反状態が解消していたため厳重注意にとどまった。
放送内容への判断を介さずに資本の経路で編成が変わりうる点は、トルコの事案とも通じる構図とみることもできる。