イスタンブールで83年ぶりの豪雨、3人死亡
トルコ最大の都市イスタンブールで現地時間14日夜から激しい豪雨が続き、道路や住宅が浸水した。トルコ環境・都市化・気候変動省のムラト・クルム大臣は、83年ぶりの大雨だったと明らかにした。現地時間15日までに市内で3人が死亡し、4人の行方が分かっていない。
何が起きたのか
豪雨で道路やアンダーパス(立体交差で周囲より低くなった区間)が冠水し、車が立ち往生して交通が混乱した。一部の地域では洪水が車を押し流した。2700人以上が浸水で身動きが取れなくなり、救助隊が避難させた。
死者3人のうち、ファーティ地区では14歳が公園の水たまりに足を踏み入れて感電死した。サルイェル地区では34歳が歩道で転倒し頭部を負傷して死亡したと地元メディアが報じた。カーイトハネ地区では別の公園付近で3人目の遺体が見つかった。
イスタンブールの東約150キロのサカリヤ県では、川底に建てられていた2階建て住宅が洪水で倒壊したとトルコのテレビ局ハベルテュルクが報じた。隣接するコジャエリ県でも1人の行方が分かっていない。
トルコの気象当局は今後数日もイスタンブールとその周辺でさらに雨が降ると予測している。イスタンブール知事府は学校の休校を現地時間16日まで延長し、15日は一部の公務員を休暇とした。クルム大臣は住民に外出を控えるよう呼びかけた。オートバイは当面通行禁止となった。
背景
クルム大臣は11月、地中海沿岸都市アンタルヤで開かれる国連気候変動会議COP31の議長を務める予定で、今回の豪雨を気候変動と結びつけた。「気候変動はもはや将来の課題ではなく、今日の最も重要な課題だ」と述べ、「気候変動が降雨のパターンに影響し、より激しい豪雨に直面している」と語った。
アンダーパスのような構造は排水設備の処理能力を超える雨が降ると短時間で水没しやすく、車が閉じ込められることがある。
日本にとっての意味
日本もアンダーパスの冠水による人的被害を経験した直後だ。2026年8月の千葉豪雨でアンダーパスが冠水し被害が出たことを受け、国土交通省は9月16日、冠水の恐れが高まった段階で通行を止める「予防的な事前通行規制」を全国7箇所から22箇所に拡大した。さらに10月6日には、排水設備だけに頼らず「冠水する前に止める、入らせない」という考え方を柱とするガイドラインを策定した。
全国には約3800箇所のアンダーパスがあり、総務省の調査では過去にも通行止めが完了する前に車の水没事故が起きていたことが分かっている。イスタンブールで起きたのも道路やアンダーパスの冠水による被害であり、日本が直前に手を打とうとしている課題と重なる。