ルワンダ反体制派の元軍人、ウガンダで遺体で発見
ルワンダのポール・カガメ大統領を批判してきた元軍人、ロバート・カベラ氏が、ウガンダの首都カンパラ郊外で首を切断された状態の遺体で見つかった。ウガンダ警察が確認し、現地時間10月20日までに伝えられた。
何が起きたのか
ロバート・カベラ氏は50歳。ルワンダ軍の元上級曹長で、音楽家としても活動し、登録者が14万4000人を超える自身のYouTubeチャンネルで、カガメ政権を批判する発信を続けてきた。ルワンダを離れたのは性的暴行の疑いをかけられた後で、本人はこれを否定し、ウガンダでは政治的迫害を理由に庇護を求めていた。
遺体は週末にカンパラ郊外で見つかった。ウガンダ警察によると、報道の時点で頭部は見つかっていない。家族によれば、同氏は死亡前、カンパラから約45キロ離れた建設現場を見に行っていた。野党のルワンダ国民会議(RNC)は徹底した捜査を求め、「この殺害は、国外で暮らすルワンダ人の恐怖を深めた」と警告した。
背景
ルワンダでは、1994年のジェノサイド(大量虐殺)の後、カガメ大統領が長年にわたり実権を握ってきた。国外に逃れたルワンダの反体制派が死亡する例はこれまでにもあり、2014年には、元情報機関トップで政権批判者だったパトリック・カレゲヤ氏が南アフリカのホテルで遺体で見つかっている。
近年は、自国の政権に批判的な亡命者や反体制派を、国境を越えて追跡したり威嚇したりする動きが各国で問題視されている。こうした動きは「国境を越えた抑圧(transnational repression)」と呼ばれることがある。今回の事件について、誰が関わったのか、政治的な背景があるのかは明らかになっていない。ルワンダ政府は公に発言しておらず、ウガンダ警察が捜査を続けている。
日本にとっての意味
国外に逃れた政権批判者が第三国で危害を加えられた事件で本国政府の関与が疑われても、その政府が認めなければ、真相解明の糸口は乏しくなる。日本自身も、かつてその「受け入れ国」の立場に置かれたことがある。1973年8月の金大中事件である。韓国の民主化運動家だった金大中氏が東京都内のホテルから連れ去られた。
この事件で韓国側の組織的関与が明らかになったのは、34年後の2007年だった。同年10月24日、韓国国家情報院に設置された委員会が、当時のKCIA(韓国中央情報部)部長の指示によるものだったとする報告書を発表した。日本政府は、韓国側の陳謝と再発防止の意向表明を得たことなどをもって、1970年代に外交的な決着がついたとの立場をとってきた。