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ベネズエラ暫定政権と野党、移行協議の第1ラウンド終える

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ベネズエラの暫定政権と野党の代表団が、国内和解に向けた移行協議の第1ラウンドを終えた。日本時間13日に伝えられた報道によると、双方は共同声明で司法制度改革と、地震復興のための国際資産へのアクセスという2点で合意したという。マドゥロ前大統領が米国により排除された後の動きだ。

何が起きたのか

共同声明によると、暫定政権と野党は司法制度の見直しに着手することで一致した。具体的には、ベネズエラの最高裁に相当する最高裁判所(Supreme Tribunal of Justice、TSJ)の組織や権限を定める法律の改正を含むという。もう一つの合意は、現地時間6月24日に相次いで起きた2つの地震の復興資金を確保するため、英イングランド銀行に置かれたベネズエラの国際準備資産へのアクセスを求めていくというものだ。この地震では6300人を超える死者が出ている。声明は、資金が適切に使われるよう「透明性、追跡可能性、監査のための仕組み」を設けるよう求めたとされる。

交渉では、暫定政権側の代表をデルシー・ロドリゲス大統領のもとで国会議長を務めるホルヘ・ロドリゲス氏が、野党側の代表を2015年の国会選挙で多数派を得た政治勢力を率いるディノラ・フィゲラ氏がそれぞれ務めた。フィゲラ氏は協議の中で「われわれは民主的で自由なベネズエラを実現するためにこのプロセスに臨んでいる」と述べたという。一方で、共同声明には野党がかねて改革を求めてきた全国選挙評議会(National Electoral Council、日本の選挙管理委員会に相当する機関)への言及がなかったと報じられている。選挙の実施主体そのものの扱いが決まらないまま、司法と資産という2つのテーマだけが先行して合意された形だ。

野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏はこの協議に参加していない。同氏は、結果が争われた2024年の大統領選挙を踏まえ、今回のプロセスは野党が主張してきた「民主的な負託」を反映していないとして、参加を拒んでいるという。

背景

ベネズエラでは長年、政権の正統性をめぐる対立が続いてきた。英イングランド銀行に預けられたベネズエラの金などの準備資産は、誰が同国の正当な代表かをめぐる争いなどを背景に、これまで引き出せない状態が続いてきたとみられる。今回、暫定政権と野党が合意した「透明性・追跡可能性・監査」の仕組みづくりは、こうした資産の扱いをめぐる国際的な不信を和らげるための条件と位置づけられているとみられる。司法制度の改革についても、政権交代期にどの勢力が裁判所を統制するかは統治の正統性に直結するテーマであり、選挙管理機構の扱いが棚上げされたまま先に着手されたことは、今後の協議の火種になり得る。

日本にとっての意味

ベネズエラの政変は、日本政府自身が対応に苦しんできたテーマでもある。マドゥロ前大統領が米国の軍事作戦で拘束・排除された今年1月、日本政府は外務報道官談話で状況を注視し邦人の安全確保に努めると述べるにとどめ、米国の行動そのものへの評価は避けた。「法の支配」を掲げてロシアのウクライナ侵略を非難してきた立場との整合性を問う指摘は国内でも出ており、移行プロセスが今後、正統性のある政権につながるのかどうかは、この宙づりになった日本外交の立場がどう着地するかを左右する。

もう一つの合意事項である地震復興資金も、日本と接点がある。6月の地震では日本政府がJICAを通じてプラスチックシートや浄水器などの緊急援助物資を供与し、日本赤十字社も救援金の受け付けを行ってきた。凍結資産へのアクセスが実現すれば、復興の財源は各国からの援助に加えてベネズエラ自身の資産という柱を得ることになる。日本を含む国際社会の人道支援がいつまで、どの規模で必要になるのかを見通すうえでも、この協議の行方は一つの目安になる。