ハインツ、流量調整できるケチャップキャップを限定発売
米食品大手クラフト・ハインツが、ケチャップの出る量を使う人が調整できるボトルキャップ「Love Lid(ラブ・リッド)」を発表した。キャップをカチッと回して位置を切り替えると流量が変わる仕組みで、限定版として展開する。デザイン誌Dezeenが8月21日付で伝えた。
何が起きたのか
Love Lidは、インダストリアルデザインスタジオのベータ・デザイン・オフィスと、広告代理店ワイデン+ケネディ・ロンドンとの協働で設計された。仕組みはホースの先端についた調整式ノズルに近い。ボトルの見た目は、キャップが底側にある現行の逆さボトルとほとんど変わらないが、キャップに赤い文字で「Like(好き)」「Love(愛してる)」「Crazy Love(狂おしいほど愛してる)」の3段階の目盛りが入り、切り替えるごとに出てくるケチャップが太く、多くなる。
同社はこれを「ファンが夏の定番料理に合わせて自分の完璧な絞り加減を選べる、初のカスタマイズ可能なケチャップキャップ」と説明する。開発のきっかけは、ケチャップを平均何本使うかをユーザーたちが議論していたRedditのスレッドだったという。
クラフト・ハインツでグローバル・ハインツ担当バイスプレジデントを務めるニーナ・パテル氏は「人はどれだけケチャップを絞るかについて、それぞれに深く個人的な流儀を持っている。私たちはそのすべてを祝福する」と述べ、「愛の感じ方は人それぞれで、ファンとケチャップの関係も例外ではない」と付け加えた。
背景
ハインツのケチャップは1876年に米国で発売された。英誌エコノミストによれば、現在は世界で年間6億5000万本以上が売れており、北米が最大の市場だという。
売れ続ける定番商品だからこそ、同社は近年、パッケージそのものを話題づくりの場として使う路線を強めている。今年はケチャップを入れるポケットを組み込んだフライドポテト用の箱も発表した。Love Lidもこの延長線上にあり、同社は狙いを「リーチを広げつつ、この紛れもなく濃厚なソースへのファンの不合理なまでの愛を強固にする」ためだと説明している。
日本にとっての意味
Dezeenは関連する事例として、スマートフォンをしまう袋に変わるキットカットの包装と並べて、日本のカルビーが資材不足への対応として印刷を白黒にしたパッケージを挙げている。容器や包装を機能の器としてだけでなく、ブランドの物語を語る媒体として使う動きは、日本の食品メーカーもすでにその渦中にある。
日本でもケチャップやマヨネーズの容器は、キャップの形状や絞り口の工夫で各社が競ってきた領域だ。ただ、出る量そのものを使う側が段階で選べるようにし、その目盛りに「愛の深さ」という名前をつけて売るという発想は、機能の改良を語るのが得意な日本のパッケージとは違う筋の話といえる。定番調味料の容器がここまで遊べるという実例として、参考になる一件だ。