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タンザニア野党指導者リス氏、反逆罪で公判へ 有罪なら死刑も

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タンザニアの野党チャデマ(Chadema)の指導者ツンドゥ・リス氏について、現地の高等裁判所は現地時間8月21日、反逆罪で審理すべき事案だと判断した。リス氏は同国で2025年に行われた選挙のボイコットを呼びかけて公衆を扇動した疑いで、2025年4月から1年以上にわたり拘束されてきた。有罪となれば死刑もありうる。

何が起きたのか

法廷には支持者が詰めかけ、外国の外交官も傍聴に訪れるなど、厳重な警備の中で判断が言い渡された。3人の判事による合議体は、検察側が証拠を提出し17人の証人が証言した後にこの判断を下した。リス氏は自ら弁護人役を務め、裁判官に対して、収監中に弁護士との面会が認められていない状況を改善するよう求めたほか、サミア・スルフ・ハッサン大統領を含む複数の政府高官を弁護側証人として「召喚」するよう要請した。リス氏の拘束は、チャデマが展開していた「改革なくして選挙なし(No Reforms, No Elections)」という選挙制度改革キャンペーンがきっかけとなったとされる。

背景には、この選挙をめぐる混乱がある。タンザニアでは選挙前後の抗議行動に対する治安部隊の弾圧が国際的な批判を招いており、野党や人権団体は治安部隊によって数千人が殺害されたと主張している。政府側は、選挙をめぐる混乱で500人以上が死亡したと認めているものの、誰の行為によるものかは明らかにしていない。

背景

リス氏は長年にわたり政権批判を続けてきた人物で、2023年に亡命先から帰国した。これまで複数回にわたり逮捕された経験があり、2017年には暗殺未遂に遭ったこともある。今回の反逆罪という罪状は、有罪となれば死刑が科されうるものである。

チャデマは、前回の選挙で98%の得票率で当選したハッサン大統領について、前任者ジョン・マグフリ氏が敷いた強権的な統治手法への回帰だと批判している。マグフリ政権下では言論統制や野党弾圧が国際的に問題視されてきた経緯があり、ハッサン氏は就任当初、対話重視の姿勢を示すとみられていた。しかし今回の一連の対応は、その評価を見直す動きにつながっているとの指摘がある。タンザニアでは近年、ダルエスサラームなどで民主化を求める抗議行動に警察が展開したことや、抗議を前にした数十人規模の拘束も伝えられており、今回の公判は、こうした政治的な締め付けが続く中で行われることになる。

日本にとっての意味

タンザニアは日本にとって、政府開発援助(ODA、途上国の経済発展や福祉向上を支援する政府資金による協力)を継続的に投じてきた対象国として知られ、道路や港湾などのインフラ整備事業を通じて日本企業の進出先ともなってきたとされる。援助や投資の判断は、通常その国の政治的安定性や統治の透明性を前提に組み立てられるため、野党の指導者が選挙ボイコットの呼びかけを理由に1年以上拘束され、死刑もありうる反逆罪で公判を迎えているという事実は、日本の資金や企業がどのような政治環境の中で活動しているのかを見直す材料になる。

また、選挙前後の混乱で多数の死者が出たとされる状況は、現地に駐在する日本人や日本企業の従業員にとって、渡航や治安面のリスク評価に直結する情報でもある。国際的な人権団体からの批判が強まれば、日本を含む援助国が対応を問われる局面も想定される。今回の公判の行方は、選挙後のタンザニアの政治情勢そのものを占う材料としても注視する価値がある。