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IKEA、Xboxとゲーミング家具コラボ発表 Gamescomで公開

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家具大手IKEAとマイクロソフトのゲームブランドXboxのデザイナーが組んで、ゲーミング家具コレクション「YXSTABY(イクスタビー)」を作った。コントローラーの親指用スティックそっくりの形で、実際に傾くスツールなどを含む。

何が起きたのか

コレクションはドイツ・ケルンで開かれたゲーム見本市Gamescom(ゲームズコム)で発表された。全9点で、Xboxにとってはゲーミング家具への初参入となる。使っていないときは住まいに自然に溶け込むことを狙ったデザインだ。「ゲームに必要だから仕方なく受け入れる家具ではなく、本当に家に置きたいと思える家具を作ろうとした」とIKEAのプロダクトデザイン開発者フィリップ・ディレ(Philip Dilé)氏は語る。

各アイテムはIKEAのデザイナー1人とXboxのデザイナー1人のチームで設計され、家具とゲームそれぞれの知見を持ち寄った。目玉は、Xboxコントローラーの特徴的なサムスティック(親指で倒す操作スティック)を模したスツールだ。「ゲーム中に人々が実際に身の回りに置いているものを観察していたら、サムスティックがどうしても小さなスツールに見えてきた」とIKEAのデザイナー、ダビッド・ワール(David Wahl)氏はDezeenに語った。

スツールは実物のコントローラーの3Dモデルをもとに作られ、湾曲した台座によって本物のスティックと同じように全方向へ傾く。ゲーム中に身を乗り出す動きに追従する仕掛けだ。座面の縁には実物と同じ滑り止めの細かな凹凸まで再現されており、今度は親指ではなく座る人を支える役に回っている。「難しかったのは巨大なサムスティックを作ることではない。サムスティックらしさを保ったまま、優れたスツールを作ることだった」とXboxのデザインディレクター、エリオット・シュー(Elliot Hsu)氏は言う。「コントローラーの元の設計ファイルに立ち返り、比率、質感、座面の曲線、安定性の調整に長い時間をかけた。ひと目でそれと分かりながら、リビングに置いて快適で実用的であってほしかった」

背景

ほかにも、コントローラーの十字キーのくぼみを模したステンレス製の光沢トレーや、Xboxのシンボルカラーである緑のクッションなど、ブランドの意匠を遊び込んだアイテムが並ぶ。収納の工夫もコレクションを貫くテーマで、多くのアイテムにキャスターや持ち手が付き、家の中を移動させてどの部屋でもゲーム空間にできる。

特筆すべきは、2012年の失敗以来となるIKEAのテレビ台への再挑戦だ。キャスター付きで必要な場所へ転がして運べ、パイプ脚に四角い天板という構成でオフィス家具っぽさを避けたと、IKEAのデザイナー、ルーカス・バツレ(Lukas Bazle)氏は説明する。「安全で頑丈で手頃な価格、しかもいろいろな家で様になるテレビ台を作ることに集中した。IKEAでこの種の製品を作るのは思いのほか難しい。家具の試験は非常に厳しく、テレビとキャスターが絡むと問題が起きうる箇所が一気に増える」

このほか、ゲーム機材や小物をまとめて入れられ、ノートパソコン台にもなる木製の道具箱、充電ステーションを組み込んだキャスター付きサイドテーブル、座面の下に隠し収納ポケットを持つラウンジチェアがある。チェアは弾力のあるカンチレバー(片持ち梁)構造で、前のめりの熱中プレイとくつろぎプレイの両方を受け止める。「プレイのモードが違うなんて考えたこともなかった」とバツレ氏。「集中が要るゲームでは前に座り、リラックスして遊ぶゲームでは椅子に沈み込む。座り方がまったく違う。ラウンジチェアは両方に対応する必要があった」

素材は木材と黒・白・グレーの落ち着いた中間色でまとめ、差し色の緑が組み込み収納の位置を示す。IKEAは近年ゲーミング家具に本腰を入れており、これまでに空気で膨らませるゲーミングチェアや、ASUSのゲーミングブランドRepublic of Gamersと組んだデスク・チェア類を発売している。

日本にとっての意味

日本でもゲーミング家具は成長市場だ。ニトリは2019年にゲーミング家具へ参入し、チェアだけでなくデスク、シェルフ、カップホルダー付きワゴンまで一式でそろえる低価格路線で売り上げを伸ばし、東京ゲームショウにも出展してきた。ゲーミングチェアはもはや専門店の商品ではなく、量販店の定番カテゴリーになりつつある。

その中でYXSTABYが示すのは、「ゲーミングらしさを消す」という逆方向の発想だ。派手なLEDやレーシングシート風の造形で主張する従来のゲーミング家具に対し、使わないときはリビングに溶け込み、キャスターでどの部屋にも展開できる。ゲーム専用部屋を確保しにくい日本の住宅事情には、この「隠せる・動かせる」設計のほうがむしろ合っている面がある。ゲーム人口の裾野が広がり、リビングでゲームをする世帯が当たり前になった今、家具側がゲームに寄るのではなくゲームが家具に溶け込む流れは、日本の家具メーカーの次の一手を考えるうえでも示唆的だ。