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ブルガリの巨大な蛇のオブジェ、NYハイラインに一時出現

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ブルガリの宝飾品を象徴する蛇のモチーフ「セルペンティ(Serpenti)」が、空気で膨らませた巨大な彫刻となってニューヨークの高架公園ハイライン(High Line)に登場した。ベルリンを拠点とするアーティストデュオ、プラスティック・ファンタスティック(Plastique Fantastique)による作品で、ブルガリが米国で手がける初めてのパブリックアート作品となる。会期は現地の9月10日から20日までの11日間。

何が起きたのか

作品名は「auruBOROS – Urban Memory and Collective Dream」。ホテル「ザ・スタンダード」の下から金色の巨大なコイル状の造形が現れ、そのままハイラインの遊歩道へと這い上がっていくように設置されている。制作したのはマルコ・カネバッチ氏とイェナ・ヤング氏の2人組で、空気を使って既存の建築に非日常的な要素を加える作品をつくることで知られる。

作品の表面は反射する素材で覆われており、周囲の建物や緑、行き交う人々、その日の天候や光の変化までもが映り込む。カネバッチ氏とヤング氏はDesign Milkの取材に対し、自分の尾をかむ蛇を描いた古代からの図像「ウロボロス(ouroboros)」を出発点にしたと述べ、「蛇を閉じた円のままにせず、開いて街の中に入らせた」と語っている。

見た目には重厚で永続的な建造物のようだが、実際の構造は空気だけで支えられている。両氏は「堂々として見えるが、構造全体は空気でできていて一時的なものだ」とも語っており、貴重で恒久的に見えながら、実際には軽く壊れやすい一過性のものだという矛盾こそが狙いだったと説明している。会期に合わせて、ブルガリはセルペンティのハイジュエリー(high jewelry、最高級の宝飾品)新作3点と、ニューヨークの芸術の歴史からヒントを得た小型のバッグも発表した。これらは9月中に一部の店舗で扱われるという。

背景

セルペンティは、ブルガリが数十年にわたり指輪やブレスレット、ネックレスなどに使い続けてきた蛇のモチーフで、ブランドを象徴するデザインのひとつになっている。この作品は、ブルガリが進めている「セルペンティ・インフィニート(Serpenti Infinito)」という企画の一環として制作されたもので、ブランドの象徴を実際の都市空間に持ち込む試みの延長線上にある。

舞台となったハイラインは、かつて使われなくなった高架の貨物鉄道を、歩いて楽しめる公園として整備し直したもので、ニューヨークの観光名所のひとつになっている。ラグジュアリーブランドがこうした人通りの多い公共の場に一時的なアート作品を置く手法は、海外では珍しくない広告・PRの形として定着しつつあるとみられる。今回の作品を手がけたプラスティック・ファンタスティックは、空気で膨らませた造形物によって既存の建築に非日常的な要素を加えるスタイルを得意とする作家デュオで、今回もその手法がそのまま生かされている。

日本にとっての意味

ブルガリは日本でも百貨店や路面店で広く知られるブランドで、セルペンティも売り場でおなじみのモチーフだ。その象徴を街なかの巨大な立体作品に変えるという試みは、日本の店頭や広告ではあまり見られない規模と表現で、ブランドが自社のモチーフをどこまで拡張して見せられるかという事例として参考になる。

一方で、今回の作品や新作ジュエリーが日本で扱われるかどうかは明らかになっていない。会期が現地の9月20日までと短い点も、渡航を考える読者には実用的な情報だろう。