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独国防省、リトアニア駐留部隊に義務配置へ 志願者不足を受け

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ドイツのボリス・ピストリウス国防相が、リトアニアに新設中の旅団に対し、志願者だけでは要員が集まらないとして、兵士を義務的に配置する方針だと独紙ビルトが現地時間の9月14日に報じた。最大1000人が対象になる可能性があり、義務配置は今秋にも始まる見通しだという。国防省はこの日、連邦議会国防委員会の主要メンバーへの説明も予定していたとされる。

何が起きたのか

ビルトによれば、対象となるのは、ドイツが2025年からリトアニアに常設で展開している旅団だ。この旅団はNATO(北大西洋条約機構)内でのドイツの役割強化と、欧州防衛への一層の責任分担を掲げて編成されたもので、最終的には約4800人規模となり、2027年末までの完全な運用開始を目指して段階的に増強が進められている。

ピストリウス氏は当初、この旅団全体を志願者だけで満たしたいと考えていた。しかし今年6月の時点で、一定数の配置命令が必要になるとの見通しを認め、規模について「1000人未満」になるとの見方を示していた。今回報じられた「最大1000人」という数字は、この6月の説明とほぼ同じ水準であり、規模そのものが急に膨らんだわけではない。変わったのは、必要になるかもしれないという見通しの段階から、実際に命令を出す実施の段階へ移ったという点だ。

国防省関係者によると、特に不足が深刻なのはIT専門職、ロジスティクス(部隊への物資輸送や補給を担う業務)担当、調理を担う隊員、士官・下士官ではない一般の階級の兵士だという。

背景

ドイツは2011年に徴兵制を停止し、志願制の軍隊に移行した経緯がある。志願制のもとでは、応募が集まらない職種や配置先について、常に人員不足のリスクを抱えることになる。ロシアによるウクライナ侵攻以降、NATOは東部の前線に近い加盟国への部隊展開を強化してきており、リトアニア駐留旅団もその一環だ。装備の増強や予算の拡大は各国が比較的進めやすい一方、実際にその装備を動かす人員を、しかも海外の駐留地に長期間送り込む形で確保することは、志願制の国防体制にとって別の難題だとされる。

今回の義務配置の方針は、あくまで既存の志願制を前提に、既存の権限の範囲で命令を出すという形を取っているとみられる。

日本にとっての意味

今回の報道で示された人員不足の内訳、すなわちIT専門職やロジスティクス担当、調理を担う隊員といった職種は、民間の労働市場でも需要が高い分野と重なる。志願制の軍隊にとって、こうした職種の人材を軍務に振り向けることは、給与や待遇の面で民間企業と競合することを意味する。これは装備を予算で調達するのとは異なり、人を集める難しさが根本にある問題だ。

この構図は、自衛隊が近年直面している募集難と同じ性質を持つ。少子化や労働市場の競争の中で、自衛隊も定員割れが続いているとされ、装備の近代化を進めても、それを動かす人員の確保が追いつかなければ防衛力全体の実効性に影響しかねない。ドイツの事例では、国外の駐留地への配置という要素が加わるため、家族帯同や単身赴任といった負担も絡み、人員確保はさらに難しくなる。日本が防衛力整備を議論する際にも、装備調達の議論だけでなく、人員をどう確保し、どう配置するかという、より地味だが実務上は避けて通れない論点があることを、この事例は改めて示している。