サウジ空軍基地への攻撃でイタリア軍機が被弾、国防相が発表
サウジアラビアのタイフ(Ta’if)空軍基地が攻撃を受け、駐留するイタリア軍のF-2000戦闘機1機が被弾したと、イタリアのグイド・クロゼット国防相がイタリア時間9月18日に発表した。イタリア軍の人員に負傷者はなく、機体以外に、車両や施設への被害もないという。
何が起きたのか
ANSA通信によると、クロゼット氏はタイフ空軍基地が複数回の攻撃の標的となった状況を注視していたとし、同基地にはインヒアレント・リゾルブ作戦(Operation Inherent Resolve、過激派組織「イスラム国」に対抗する米国主導の多国籍作戦)に参加するイタリア軍要員が駐留していると説明した。
クロゼット氏は「攻撃の際、イタリアのF-2000機が被弾した」と述べ、機体は基地内の離れた区画にあったと説明した。人員が使用する他の車両や施設に被害はないとしている。F-2000はユーロファイター・タイフーンのイタリア軍での呼称とされる。
同氏は、状況の詳細な評価や人員の状態、今後取り得る対応について報告を求めたとし、人員保護のための安全対策は既に講じられていたとの説明を受けたと述べた。事態には引き続き最大限の注意を払い、人員の安全確保に責任を持って対応するとしている。
背景
サウジアラビアでは、ここ数日、フーシによるものとされるミサイルやドローンの攻撃が相次いでいる。フーシはイエメンの一部を実効支配する武装勢力とされ、イエメン政府側と長年にわたり戦闘を続けてきた。2022年4月に発効した国連の仲介による停戦以降は比較的落ち着いた状態が続いていたが、7月初めから両者の戦闘が再び激化しているという。
サウジアラビアにイタリアなど外国軍の部隊が駐留しているのは、過激派組織「イスラム国」の掃討を掲げる米国主導の有志連合、インヒアレント・リゾルブ作戦に参加しているためとみられる。同作戦は中東各国に部隊や航空機を分散配置しているとみられ、タイフ空軍基地もその拠点の一つとされる。
今回被弾したのは、対IS作戦のためにサウジアラビアに駐留していたイタリア軍の機体であり、基地への攻撃の被害が外国軍の装備にまで及んだ形だ。
日本にとっての意味
日本はエネルギー資源の輸入で中東への依存度が高いとされ、サウジアラビア周辺での攻撃の頻発は原油価格や調達の安定に影響しうる点で無視できない。懸念は原油にとどまらず、石油化学製品の原料調達や備蓄の運用にも波及しかねない。紅海やペルシャ湾に近い海域の緊張が高まれば、タンカーの航行や輸送コストにも影響が及ぶ可能性がある。
さらに今回の件は、駐留する外国軍の装備までが攻撃の被害を受けたという点で、日本のエネルギー安全保障を考えるうえでも示唆がある。原油の調達先を特定地域に集中させるリスクを見極め、供給網の分散を検討する材料として、こうした中東情勢の変化を注視する価値がある。現地に駐在員や渡航者を抱える日本企業にとっても、治安情報の確認や渡航判断の見直しにつながる。