気候・災害

中国の五カ年計画、7割超に気候目標 英メディアが全72本分析

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英国の気候専門メディア、カーボン・ブリーフ(Carbon Brief)は、中国が今期の五カ年計画として公表した72本の政策文書を精査した結果、54本に気候変動やエネルギーに関する政策・数値目標が盛り込まれていたと発表した。全体の7割超に当たる。気候と直接関係のない分野の計画の大半にも、程度の差はあれ気候政策が含まれている点が特徴という。

何が起きたのか

中国は2026年3月、今後5年間(2026〜2030年)の経済社会発展の方針を定める最上位の「第15次五カ年計画」を公表した。その後、再生可能エネルギーや気候変動対応、化石燃料産業といった気候・エネルギーに直接関わるテーマ別の計画が中央省庁ごとに相次いで発表されている。

カーボン・ブリーフは、公表済みの72本の五カ年計画すべてに目を通し、気候変動に関連する記述の有無を確認した。その結果、54本に何らかの気候政策や目標が含まれていた。対象分野は石炭産業や電気自動車(EV)といったエネルギー関連にとどまらず、会計手法や観光業まで幅広い。まだ公表されていない計画も残っているとみられるが、気候・エネルギーに関する主要な計画はすでに出そろった可能性が高いという。

最上位の第15次五カ年計画では、非化石エネルギーの割合をエネルギー消費全体の25%まで高めることや、二酸化炭素(CO2)排出量のピーク到達目標を予定通り達成することなどが「主要目標」として掲げられた。GDP当たりの排出量を示す「炭素強度」を5年間で17%削減する数値目標も盛り込まれている。テーマ別計画では、たとえば気象分野の計画で異常気象の監視・予測能力を「大幅に強化する」といった、数値化されていない目標も設定されている。

背景

中国の五カ年計画は、最上位の総合計画を頂点に、分野ごとの計画が数か月から数年かけて次々と発表される階層構造を取る。各省庁が自らの所管分野の計画に数値目標を書き込む仕組みのため、気候変動対策は環境部門だけの計画にとどまらず、行政の各分野に分散して組み込まれる形になっているとみられる。

今回の第15次計画期間は、中国政府が国際公約として掲げるCO2排出量の「2030年より前のピーク到達」に向けた最終盤に当たる。カーボン・ブリーフによれば、この時期は気候政策上とりわけ重要な5年間と受け止められている。

日本にとっての意味

日本にも、気候対策の目標を各府省庁の所管業務へ割り振る仕組みがある。地球温暖化対策計画(2025年2月18日閣議決定)の関連資料3は、2035年度・2040年度の排出削減目標に向けた対策・施策を一覧にしている。

加えて、温対法第20条に基づく政府実行計画を受けて、環境省は2025年9月16日、内閣官房から防衛省まで24件の府省庁別「実施計画」を取りまとめて公表した。各実施計画は総排出量の目標と個別対策の目標を併せ持つ構成で、結果は毎年公表される。2026年3月30日公表の速報値では、2024年度の政府全体の排出量は2013年度比22.7%減だった。

中国が省庁横断で目標を分散させる手法と、日本が府省庁ごとに実行計画を持たせ毎年点検する手法は、目標を末端の実務に落とし込むという点で似た構造を持つ。