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エッフェル塔より高い風車、ドイツ東部で全高365mに達する

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ドイツ東部のルザーティア地方で、開発企業が「世界一高い」とする風力発電機の試作機が全高365メートルに達した。ハブ高(地面からローター中心までの高さ)は300メートル。そこで吹くより強く安定した風を利用して発電量を大きく増やすことを目指す実証機で、現地時間11月19日に稼働開始の式典が予定されている。

何が起きたのか

試作機は、かつて褐炭(低品位の石炭)採掘の拠点だったルザーティア地方の既存の風力発電所に建設された。現地時間9月28日に全高365メートルに達し、内部の配線工事などはまだ残っているという。ハブ高は300メートルで、そこにローターブレードを加えた総高が365メートルとなる。パリのエッフェル塔(330メートル)を上回り、ドイツで最も高い建築物であるベルリンのテレビ塔(368メートル)に迫る高さだ。

建設したドレスデンの工学会社ギコン(Gicon)の最高経営責任者ヨッヘン・グロスマン氏は、「高度300メートルでは風が非常に安定して強いため、現在の高さの同じ設備と比べて2倍以上の電力を生み出せる」と述べた。従来の風力発電機のハブ高は200メートルを大きく下回るのが一般的だという。この試作機はあくまで高さによる発電量の増加を測定するためのもので、ギコンは今後の検証結果を踏まえ、超高層の風車を3〜5基組み合わせた風力発電所の開発を計画している。既存の敷地に高さの異なる風車を組み合わせる、いわゆる2階建て(two-story)のウィンドファームという発想も示されている。

背景

地表付近では地面との摩擦で風が乱され弱まりやすいが、上空に行くほど風は強く安定するとされる。従来の風車のハブ高が200メートル未満にとどまっていたのは、建設コストや構造上の制約が大きかったためとみられるが、タワーを高くできれば同じ敷地面積でも発電量を増やせる余地があることになる。

ルザーティア地方はドイツ国内でも褐炭採掘が盛んだった地域で、近年は再生可能エネルギーへの転換が進んでいる。ドイツは2023年に最後の原子力発電所を計画どおり停止したが、ロシアのウクライナ侵攻後にエネルギー価格が上昇したこともあり、この決定には批判も出た。石炭による発電についても2038年までの廃止を目指している。連邦統計局によると、2026年上半期にドイツで生産された電力のうち59.1%が再生可能エネルギー由来で、単独の電源としては風力が最大の29.4%を占めた。

日本にとっての意味

この試作機は、タワーを高くして上空の強い風をつかみ発電量を増やす仕組みを検証するためのものだ。日本の陸上風力はこれとは対照的に、タワーを伸ばすのではなく稜線に建てることで高さを確保してきたとみられる。2025年4月に営業運転を開始した福島県阿武隈地域の風力発電所は、田村市・大熊町・浪江町・葛尾村にまたがる稜線部に全高約148メートルの風車46基を設置したもので、2025年4月時点で国内最大の陸上風力発電所となった。一方、環境省の陸上の風況マップは今も地上高80メートルの値で整備されており、300メートル級の高さを想定したデータ整備は、NEDOが2025〜2027年度の事業として着手した段階にある。