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独ザクセン・アンハルト州議会、極右AfD議員が議長に初当選

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ドイツ東部ザクセン・アンハルト州の州議会で、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD、Alternative für Deutschland)所属のトビアス・ラウシュ氏(35)が議長に選ばれた。戦後ドイツで極右政党が州議会の議長職を得るのは初めてとされる。州都マクデブルクでは議会開会前、議事堂の前に数百人が集まり「ナチスは出て行け」と声を上げた。

何が起きたのか

現地10月6日の投票は1回目で決着した。ラウシュ氏は賛成48票、反対29票、棄権5票で当選している。背景には、現地9月6日の州議会選挙でAfDが43.8%を得て第1党になったものの、過半数には届かなかったという事情がある。左派ポピュリズム政党BSW(5議席)は、議席最多の党が議長職を得るという慣例を理由に、事前にラウシュ氏支持を決めていた。

AfDとBSWの議席を合わせても44で、48という賛成票には届かない。投票は無記名の秘密投票で行われたため、誰が賛成に回ったかは分からない。社会民主党(SPD)や緑の党、左翼党は事前に反対を表明し、連邦首相フリードリヒ・メルツ氏が率いるキリスト教民主同盟(CDU)の会派指導部は棄権を所属議員に勧めていた。前の会期では、AfD側が出した副議長候補が繰り返し投票で否決され、その職は空席のままだった。

ザクセン・アンハルト州の情報機関である州憲法擁護庁は、同州のAfDを、極右過激派組織と確定認定している。

背景

ドイツは16の州がそれぞれ独自の議会(州議会、Landtag)を持つ連邦制で、各州議会には国の議会と同様に議長職がある。最大会派に議長職を与えると定めた法規定はないが、議席数で最大の会派に議長職を委ねるという慣例が長年守られてきた。旧東独地域ではAfDの得票が伸びている。2024年9月のテューリンゲン州議会選挙では、AfDが32.8%を得て同州で初めて第1党になった。ザクセン・アンハルト州でも、得票率は2021年の20.8%から、今回9月の選挙では43.8%に上がった。

今回の投票が注目されたのは、慣例を適用すれば本来は最大会派のAfDに議長職が渡るところ、他党がこれに反対する動きを見せていたためだ。CDU会派が棄権を勧めたのも、AfDに賛成票を投じたとは見られたくない一方で、慣例を壊す形で反対に回ることも避けたいという事情があったとみられる。結果として秘密投票の下で、AfDとBSWの議席数を超える票が集まり、ラウシュ氏の当選が決まった。

日本にとっての意味

日本の衆議院でも、議長の選挙は衆議院規則第3条2項により無名投票で行われ、同規則第8条により投票の過半数を得た者が当選人となる。内閣総理大臣の指名は記名投票と定められており(第18条)、議長選は誰が誰に投票したか分からない点でザクセン・アンハルト州と同じ仕組みだ。2026年2月18日の衆院本会議では投票総数464のうち463票を森英介氏が獲得し、ほぼ無風だった。対照的にザクセン・アンハルト州では、最大会派と連携した政党の合計議席(44)を上回る48票が、州の情報機関が極右過激派と認定するAfDの候補に集まった。