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インドネシア林業省、森林地図の生データ取得を許可制に 無断取得はITE法で訴追と警告

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インドネシア林業省が運営する森林地図サービスで、重ね合わせ解析に使える生データ形式のダウンロードに事前の書面許可を義務づけた。違反には2008年の「電子情報取引法(ITE法)」を適用し、禁錮最長9年を科す方針を示している。地図の閲覧やPDFでの取得は従来通り自由だが、解析に使える形式だけが対象になる。

何が起きたのか

林業省の地図閲覧サービス「SIGAP」では、現地時間10月6日の報道時点でおよそ1か月前から、サイトを開くと法的な注意書きが表示されるようになった。掲載情報を許可なくダウンロードまたは抽出した場合は訴追されるという内容で、同省の利用規約には、該当するITE法の条文が定める罰則が禁錮最長9年、罰金最大30億ルピア(約17万ドル)だと明記されている。現地時間9月21日には森林計画総局がインスタグラムに動画を投稿し、研究目的の開示と裏付け書類の提出を求める新しい申請手続きを説明した。

同省の森林監視・地理空間情報部門を率いるドニ・プラボウォ氏によると、制限の対象は「シェープファイル(shapefile、位置情報を含む地図データの標準形式)」のみで、地図の閲覧やPDFの取得はこれまで通り許可なしにできるという。シェープファイルは大学や他の政府機関には申請を通じて提供されるが、NGOには提供されない。NGO側が独自に解析したい場合は、自分でデジタル化するか、同省に依頼して解析自体を代行してもらう必要がある。

ドニ氏は「もし誰かがデータを改ざんして、本当は保護林である場所を保護林でないと言ったらどうなるか」と制限の必要性を説明した。一方、人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのアンドレアス・ハルソノ氏は、許可の取得には通常長い時間がかかり、承認されるとも限らないとして、「林業省に地図を提供する善意がないことを示している」と批判している。

背景

SIGAPで公開されてきたデータには、森林減少や火災の発生地点に加え、保護林・生産林といったゾーニング(zoning、土地利用区分)の指定が含まれる。研究者やNGOはこれらを重ね合わせ、採掘企業が許可区域の外で違法に伐採していないか、ゾーニングの決定が先住民の土地に影響していないかを確認してきた。シェープファイルは位置情報の精度を保ったまま複数の地図を重ね合わせられる形式で、こうした解析に向いている。

PDFや画面の静止画から同じ重ね合わせをするには、人の手で地図をなぞってデジタル化し直す作業が要り、時間がかかるうえ誤差も生じやすい。ゾーニングの範囲や森林減少の実態を外部から検証する手段として、シェープファイルの入手経路が狭まることになる。ITE法については、名誉毀損の規定が活動家や記者の訴追に使われてきたとして、ヒューマン・ライツ・ウォッチが廃止を求めてきた。今回の措置も同じ法律を根拠にしている。

日本にとっての意味

日本の森林区画データにも似た二層構造がある。市町村が備える林地台帳は、所有者に関する記載事項を除いて公表が原則で、閲覧は利用目的を記した申請によって誰でもできる。一方、電磁的記録媒体での「提供」を受けられるのは林野庁長官通知が定める4類型、すなわち土地の所有者や森林の施業・経営の委託を受けた者、隣接地の同様の者、森林経営計画の認定を受けた者、国や都道府県に限られ、使用目的が森林施業の適切な実施や集約化に資することの確認と、申請者以外への情報提供の禁止が条件になる。

閲覧は誰にでも認め、生データの提供だけを申請者の属性で絞るという組み方は、林業省がシェープファイルを大学・政府機関には出しNGOには出さない構えと重なる。ただし測量法が基本測量成果の無断複製に科す罰則は30万円以下の罰金で、禁錮刑までは定めていない。