気候・災害

ベトナム中部で豪雨、フエに3日間で800ミリ超 軍を動員

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ベトナム中部で大雨が続き、歴史都市フエや港湾都市ダナンで浸水や土砂崩れの被害が出ている。国営メディアによると、軍は救助のために部隊を動員し、水陸両用の装甲車を待機させた。当局は現地時間11日朝まで雨が続くとみて、土砂崩れや低地の浸水への警戒を呼びかけている。

何が起きたのか

現地時間7日午後にはチュオンザン川でボートが転覆し、夫婦のうち夫が行方不明のままだ。妻は泳げなかったが、草の入った袋につかまり300メートル近く流された後、住民に救助された。

現地時間8日、ダナン市内では道路や住宅地が浸水し、水位が1メートルを超える場所もあった。軍は130人近くを展開し、救助隊が子どもの避難や家財の移動を手伝った。周辺の山間部では土砂や倒木が道路をふさいだが、撤去作業で道路は部分的に通行が再開した。

現地時間9日にはフエで浸水が確認された。過去3日間の雨量は800ミリを超え、土砂崩れや急な増水の危険が高まっている。雨が最も強かったのは沿岸の低地と市南部の丘陵地だった。

背景

ベトナム中部は山が海岸に迫り、川の流れが短く急だとされる。そのため強い雨がまとまって降ると、短時間で川の水位が上がり、浸水や土砂崩れにつながりやすいとみられる。ベトナムの雨季は例年5月から11月ごろまで続き、2025年にも同じ中部でフエやホイアンの住宅や観光地が浸水する被害が出ている。

香港城市大学の地球科学の教授ベンジャミン・ホートン氏は、政府が極端な大雨そのものを止めることはできないが、早期警戒や救助部隊の事前配置、重要施設の保護、道路が冠水する前の避難、排水設備の改善といった対策で被害を減らせると指摘する。

日本にとっての意味

ホートン氏は、復旧では壊れたものを単に元へ戻すのではなく、次の洪水への耐性を築くべきだと述べた。日本ではこの「戻すか、作り替えるか」という選択が、国土交通省の補助制度として組み込まれている。被災前の姿に戻す原形復旧(国の負担率2/3以上)に加え、改良工事費の補助を上乗せして施設の機能を強化する「改良復旧事業」という仕組みがある。

原形復旧の中にも「越水させない原形復旧」という扱いがある。2019年の東日本台風で茨城県の一級河川・藤井川の堤防が越水して決壊した際には、被災前の高さではなく上下流の堤防に合わせた高さまでかさ上げされた。ただし適用には越水や越波による被災であることや、上下流の河川改修との整合が図れる範囲であることなどの条件があり、どの被災箇所でも自動的に選べるわけではない。