エチオピア政府軍、エリトリア国境近くのティグライの要衝アドワに進入
エチオピア北部ティグライ州で、連邦政府軍と同盟する民兵が、エリトリア国境に近い要衝アドワに入った。地元の反政府勢力が撤退した後のことだという。地域全体を巻き込む紛争への懸念が広がっている。
何が起きたのか
住民によると、エチオピア連邦政府軍と同盟する民兵が、現地時間10月11日、エリトリア国境に近い戦略的な町アドワに入った。ティグライの反政府勢力が前日にアドワから撤退した後のことだという。Africanews が伝えた。
この動きがより広い地域紛争に発展するのではないかという懸念も示されている。
背景
ティグライは2020年から2022年にかけて、エチオピア連邦政府とティグライ人民解放戦線(TPLF)主体の勢力とが戦う内戦の舞台となった。2022年11月2日に敵対行為停止の合意が成立したが、その後も地域情勢は不安定なままだった。
隣国エリトリアは、当時の内戦では連邦政府側に立って参戦した。しかし停戦後、両国の関係は再び冷え込んだ。
また2025年3月には、TPLF内部で派閥間の対立が表面化した。
アドワは1896年、当時のエチオピア帝国がイタリアの侵攻を退けた「アドワの戦い」で知られる町でもある。
日本にとっての意味
外務省の危険情報はエチオピアを地区単位で細かく分けている。エリトリアとの国境地帯やティグライ州西部地区はレベル4(退避勧告)、それを除くティグライ州はレベル3(渡航中止勧告)、首都アディスアベバはレベル1である。アドワはこのうちエリトリアとの国境地帯に近い。
外務省は9月下旬のスポット情報で、ティグライ防衛軍が州都メケレの空港を制圧したとの報道に触れ、エチオピア航空がメケレ、アクスム、シレの3空港の発着便を止めていると伝え、携行品や備蓄用物資の確認を呼びかけた。空港の名前まで挙げて注意を促す細かさは、支配の変化が地区や拠点の単位で現れるという今回の事態の性質に対応している。