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ライト唯一のプラネタリウム、改修して公開 米フロリダの大学が円形の座席を元に戻す

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米国の建築家フランク・ロイド・ライトが設計した、ただ一つのプラネタリウムがよみがえった。フロリダ州のフロリダ・サザン・カレッジが改修を終え、学内の人と一般の人に、見学と上映の場として開いた。投影機が動かなくなった2004年から、ほぼ閉じたままだった。

何が起きたのか

プラネタリウムは、学内のポーク郡科学棟の端にある。改修を率いたのは、大学の建築家で設計事務所MCWBアーキテクツの代表の一人、ジェフ・ベイカー氏である。外装の工事は2021年に始まった。屋根と雨仕舞い、壁の上部の傷んだしっくいを取り替え、建物の周りを縁取る手作りの「テキスタイル」タイルを280枚以上つくり直した。

2023年からは内部に移った。ベイカー氏によると、ライトの死後数十年の手直しで、部屋の姿は大きく変わっていた。深い青に塗られた壁を塗り直し、1980年代に造られたコンピューター用の小部屋などを取り除いた。これで、ライトが設計した合板とビニール張りの座席を地元の職人と直し、元の円形に並べ直せた。同氏は、こうした座席が残っているのは全米のプラネタリウムでも非常に珍しいという。床は「チェロキー・レッド」と呼ばれる赤で仕上げ直し、投影と音響の設備も新しくした。

難しかったのは、今の設備を隠す場所がないことだった。コンクリートの床は下の部屋の天井で、天井はそのまま屋根になる。同氏は、設備を目立たないように収め、ライトの思い描いた空間を取り戻せたと話す。

背景

フロリダ・サザン・カレッジは、ライトが全体の計画を手がけたただ一つの大学である。1938年に当時の学長ラッド・スパイビー氏が依頼し、1938年から1958年に13棟が建った。一か所に集まるライトの建築としては世界最大で、2012年に米国の国定歴史建造物になった。大学は2007年、J・ポール・ゲティ財団の助成で保存の計画をつくり、それを手引きに、噴水「ウォータードーム」やアニー・ファイファー礼拝堂などを順に直してきた。

日本にとっての意味

日本にも、ライトが手がけた学校の建物がある。東京・池袋の自由学園明日館で、1921年に創立した自由学園の最初の校舎として、ライトと弟子の遠藤新が設計した。豊島区によると、1997年に国の重要文化財になり、国や都、区の補助で保存修理をした。

日本建設業連合会の資料によると、明日館は10年以上、保存か取り壊しかが議論された。1999年に始めた修理では、講堂を除く3棟を当初の姿に戻しつつ、構造を補強し、冷暖房の設備も加えた。いまは見学や結婚式、演奏会などに使われ、「使いながら保存する」例として知られる。後から足したものを除いて元の姿に戻し、今の設備は目立たせずに入れる。フロリダの改修と同じ考え方で、ライトの建物は日米で使い続けられている。