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メキシコ軍の巨大博物館計画、市長の反対で見直しに

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メキシコ国防省(Sedena)は、首都メキシコシティ中心部のチャプルテペック公園内に陸軍・空軍・国家警備隊の博物館を建設する計画について、別の場所を探す方針を明らかにした。計画への批判が広がり、与党モレナ出身のメキシコシティ市長クララ・ブルガダも反対を表明していた。国防省はその後、9月26日(現地時間)の短い声明で、「周辺の自然環境に影響しない別の軍用基地」を探すと説明した。

何が起きたのか

計画は9月に国防省が発表したもので、博物館のほか収蔵庫、464席の講堂、447台分の駐車場、売店、カフェ、軍人向けの宿舎棟までを含む複合施設だった。建設予定地は国防省が所有する土地だが、法律で開発が制限されたチャプルテペック公園の区域にかかっていた。レフォルマ紙によると、建物は2〜3階建てを4棟以上、工期は約3年、総事業費は16億6,000万ペソ(約9,200万ドル)に上るとされた。

この規模の計画が明らかになると、地元住民や市民から強い反発が起きた。チャプルテペック公園はニューヨークのセントラルパークの2倍の広さがあり、樹齢300年を超えるとされるアウェウエテの古木を含む5万5千本以上の木々がある緑地である。ブルガダ市長は、国防当局が計画を見直していることを認めつつ、公園に博物館を置かないと強調した。

背景

メキシコシティには公式に登録された博物館が150以上あり、革命や独立後の戦争を扱う博物館など軍に関連する展示施設も複数存在する。今回の計画には、なぜ軍がさらに博物館を必要とするのかという疑問や、公園整備に充てるべき予算を建物に使うべきではないという批判が、評論家のアドリアナ・マルビドらから出ていた。

この計画が注目されたのは、メキシコでは近年、文化・観光資産の管理が軍の側に移る動きが続いているためでもある。軍はマヤ鉄道(トレン・マヤ)事業の運営会社や南部数州の空港・ホテルを管理してきたが、最近では観光地として人気の高いトゥルム遺跡でも、入場料の徴収が国立人類学歴史研究所(INAH)から軍系の企業に移った。ブルガダ市長が属するモレナの政権は、この数年こうした流れを主導してきた立場であり、同じ党の市長が反対に回ったのは異例である。

日本にとっての意味

同種の構図は東京にもある。都立青山公園では1983年、環状第3号線の道路工事に伴い、南地区の0.3ヘクタールが公園として一時的に廃止され、米軍ヘリポート用地として提供された。工事は1993年に完了したが、臨時ヘリポート用地は返還されず、2007年の日米合同委員会で代替地の返還が合意され、返還された土地を加えた拡張部分が2023年2月1日に開園した。

メキシコでは9月の計画発表から間もなく軍が計画見直しに動いたが、青山公園では港区議会が1967年にヘリポート撤去を求める意見書を採択し、区も2004年度から国や東京都への要請を続けている。決める場が自治体ではなく日米合同委員会にある点が、メキシコの事例と対照的である。