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ホルムズ海峡再開へ協議、オマーンとイランが糸口探る

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オマーンとイランの外相が現地時間8月21日、電話でホルムズ海峡の航行再開に向けた協議をおこなった。両国は「実務的な了解」の必要性を強調し、対話の糸口を探る姿勢を示した。海峡を通る商船の航行量は依然として戦争前の水準を大きく下回っている。

何が起きたのか

オマーンのバドル・アルブサイディ外相とイランのアッバス・アラグチ外相は、ホルムズ海峡の航行に影響する情勢について電話で意見を交わした。オマーン国営通信によると、両者は対話再開に向けた条件づくりや、双方の立場の隔たりを縮める平和的解決の道筋について協議し、「すべての関係国の利益を考慮しながら」進める必要性を確認したという。あわせて、海峡での円滑な航行を取り戻すための「実務的な了解」を目指す考えでも一致した。

この協議は、8月上旬にイラン外務省が、商船が通航するための海上回廊の座標についてオマーンと合意に達したと発表したことを受けたものとみられる。回廊の地理的な基準では合意したものの、合意内容をまとめる共同声明はまだ確定していないとされる。

航行量の落ち込みは深刻で、英国海事貿易機関(UKMTO)の現地時間8月21日の報告では、海峡を通る船舶の交通量は戦前の水準より約9割少ない。8月中旬には戦前平均の17%まで持ち直した週があった一方、その前の週は4%にとどまるなど、週ごとの変動が大きい状態が続いている。背景には、地域の海域を航行する商船への攻撃が相次いでいるという安全上の懸念がある。

背景

ホルムズ海峡は、イランとオマーンに挟まれた幅数十キロほどの狭い水路で、ペルシャ湾から産出される原油やLNG(液化天然ガス)の大半がここを通って世界に運ばれる、世界有数の海上輸送の要所とされる。今回の緊張の発端は、現地時間で2月下旬にアメリカとイスラエルがイランを突如攻撃したことにあるとみられ、これに対しイラン側はイスラエル国内や周辺国のアメリカ軍基地への攻撃で応じたという。

アメリカとイランは6月、戦闘の停止とホルムズ海峡での航行再開を盛り込んだ覚書に署名したが、実施条件や海峡の将来の運用をめぐる意見対立から、この合意は事実上頓挫したとされる。今回のオマーン・イラン間の協議は、この行き詰まりを外交的に打開しようとする動きの一つとみられる。オマーンは湾岸地域で比較的中立的な立場を保ち、イランとアメリカや周辺国との仲介役を担うことが多い国として知られる。

日本にとっての意味

日本が輸入する原油の大半は中東からで、その多くはホルムズ海峡を通って運ばれる。その影響はすでに日本の暮らしに及んでいる。政府は燃料油の価格を抑える補助金を拡大し、中東情勢が悪化した直後の3月下旬から4月中旬には、補助額が1リットルあたり48.1円まで膨らんだ。8月17日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は169.8円と一見落ち着いているが、これは補助金で抑え込まれた水準だ。8月中旬にも、米国とイランの一時的な停戦合意の失効を受けて原油相場が再び上昇し、政府は8月20日から補助額を1リットルあたり26.0円へ引き上げている。

一方で、今回報じられたような外交協議の進展は、事態が緊張の高止まりから緩和の方向へ動き出す兆しとも読める。海上回廊構想の座標合意や実務的な了解づくりといった細かな進展の積み重ねが、最終的に航行再開の可否を左右する。エネルギーの多くを海外に依存する日本にとって、このような外交の動きを継続的に追うことは、原油価格や供給の先行きを見通すうえで実利的な意味を持つ。