感染症・健康

コロナに2回以上感染、新たな病気診断のオッズ76%高く カナダ調査

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新型コロナウイルスに2回以上感染したことがある人は、一度も感染していない人に比べて、新たな病気と診断されるオッズ(odds、ある出来事が起きる見込みを、起きない場合と比べた比)が76%高かったとする研究結果を、カナダの専門誌「Canada Communicable Disease Report」が2026年9月に公表した。米ミネソタ大学の感染症研究政策センター(CIDRAP)が現地時間9月10日に伝えた。対象は呼吸器や心血管、神経系などの病気だ。

何が起きたのか

この研究は、カナダ公衆衛生庁と統計局の研究チームが、2022年4月から2023年6月にかけて実施された「カナダ・コロナ抗体健康調査」とその追跡質問票のデータを分析したものだ。回答者はおよそ9000人で、確定または疑いのあるコロナ感染の回数と、初回感染後に21種類の病気のいずれかと新たに診断されたかどうかを申告した。対象の病気には呼吸器疾患、心血管疾患、神経疾患、筋骨格系の不調のほか、糖尿病、がん、睡眠時無呼吸、腸や膀胱の不調、精神疾患、慢性疲労症候群や線維筋痛症も含まれる。

回答者のうち約47%が感染1回、約20%が2回以上と申告した。全体では11%が調査期間中に何らかの新たな病気と診断されていた。2回以上感染した人は、感染なしの人に比べて新たな診断を受けるオッズ比が1.76だった。

病気の種類別に見ると差はさらに大きく、呼吸器系の病気と診断されるオッズ比は5.03、腰や背中の不調は3.79だった。ただし研究チームはこれらの数値について、信頼区間が広く不確実性が大きいと明記している。また、初回感染時に日常生活に支障が出るほどの急性症状があった人は新たな診断を受けるオッズが1.63倍、感染から3か月以上症状が続いた人は3.35倍だった。

背景

持病がある人ほど新型コロナが重症化しやすいことはこれまでも知られてきた。今回の研究が示すのは、その逆方向の関係、つまりコロナ感染そのものが後になって別の病気の診断につながる可能性があるという点だ。研究チームは「新型コロナ感染、とりわけ再感染が長期的にどのような影響を及ぼすのか、生物学的・行動的・システム的な要因も含めてさらなる調査が必要だ」としている。

ただし、この結果から感染が病気を引き起こしたと断定することはできない、と研究チームは繰り返し注意を促している。データはすべて自己申告であり、症状の重さを本人が正確に覚えていない可能性がある。また「感染なし」と答えた人の中にも、無症状や未診断のまま感染していた人が混じっている可能性がある。

もう一つ見過ごせないのが、受診行動そのものの影響だ。重い症状や長引く症状があった人ほど医療機関を頻繁に受診し、その過程で別の病気が偶然見つかりやすくなる、という構造的な要因が考えられる。つまり今回の数値の一部は、感染の直接的な影響ではなく「受診回数が増えたことで診断の機会が増えた」ことを反映している可能性がある。それでも研究チームは、この結果が「感染を防ぐための公衆衛生上の取り組みが引き続き重要であることを裏づける」と述べている。

日本にとっての意味

日本でもオミクロン株の流行以降、2回、3回と感染を経験した人は珍しくないとみられる。感染回数が多い人ほど新たな病気と診断されやすいという傾向は、日本の読者にとっても自分の健康リスクを考える手がかりになりうる。

今回の研究が扱う「新たな病気の診断」は、感染から時間が経った後に別の病気と診断される場合を指している。受診時に自分の感染回数や症状の経過を医師にきちんと伝えておけば、こうした兆候を見逃しにくくなるかもしれない。研究チーム自身が認めているように因果関係はまだ証明されていないが、複数回の感染を経験した人ほど、その後の体調変化に注意を払う価値はありそうだ。