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イラン大統領、ホルムズ海峡に共同航路の協定を発表 オマーンで現地14日署名の見通し

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イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、ホルムズ海峡にイランとオマーンの共同航路を設ける協定について、現地の9月14日にオマーンの首都マスカットでアラブ諸国の外相が署名し、国際海事機関(IMO)に通知すると表明した。ただしオマーン側からこの会合についての確認はまだ出ていない。ペゼシュキアン氏はインドの放送局インディア・トゥデイとのインタビューでこの計画を明らかにした。

何が起きたのか

ペゼシュキアン氏によれば、14日にマスカットで開かれる会合では、オマーンとイランの間にホルムズ海峡を通る共同の航路を設ける協定への署名と、IMOへの通知が行われる予定だという。同氏は「米国による我々への攻撃の発射拠点として領土が使われた国々も、この会合に出席する」とも述べたが、具体的にどの国を指すかは示されていない。

ペゼシュキアン氏は米国との戦争や経済的圧力についても言及し、米国は戦争によって目的を達成できなかったため経済的圧力に転じたが、イランは止まらないと語った。米国による海上封鎖についても触れ、海上ルートはイランの存続を左右するものではないとの立場を示した。ペゼシュキアン氏は、米国の封鎖と攻撃が終われば海峡を再開するとも述べている。

一方、イラン外務省のエスマイル・バゲイ報道官は現地時間11日、オマーンが14日に湾岸に面する8カ国による地域閣僚級会合を主催すると説明した。バゲイ氏によれば、この会合では地域情勢に加え、商船向けの安全な航路指定をめぐるイランとオマーンの協議の結果が話し合われるという。バゲイ氏は、イランが海峡の安全確保に取り組んでいるとしつつ、米国による海軍の封鎖と軍事介入が続く限り船舶の安全は保証できないとも述べた。

これに先立ち、イラン最高国家安全保障会議のモフセン・レザイ書記は現地時間7日、オマーンとの新たな航路をめぐる合意が数日中に署名されるとの見通しを示し、航路の入口と出口はイランの管理下に置かれると説明していた。

背景

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾の出入口にあたる狭い海峡で、世界で海上輸送される原油のかなりの部分がここを通過するとされる。南岸にはオマーン領があり、オマーンは地理的な当事者であると同時に、イランと欧米との間で仲介役を担ってきた国としても知られる。

新たな航路をIMOに通知する意味は、単に地図上の取り決めにとどまらない。IMOは国連の下で海運の安全や航路の規則を扱う機関で、加盟国が船舶の航行帯(往路と復路を分ける通航分離帯のような仕組み)を届け出ることが、海運会社や船舶保険会社がその航路を公式なものとして扱う土台になる。イランとオマーンが今回目指しているのも、こうした国際的な承認を得ることだとみられる。

日本にとっての意味

日本が輸入する原油の大部分はホルムズ海峡を経由しているとされ、この海峡の通航条件は日本のエネルギー安全保障に直結する。今回の枠組みでは、航路の入口と出口がイラン側の管理下に置かれるとレザイ氏が説明している。船舶の安全確保についてもイラン当局が「保証できない」と留保を付けており、この点は、タンカーの航行リスクや戦争危険特約保険(war risk)の保険料水準に影響し得る要素として注目される。

また、新航路がIMOへの通知という形を取る点も見逃せない。日本はIMOの主要加盟国であり、世界有数のタンカー保有国でもあるとされることから、こうした航路の扱いが議論される場に実際に関与し得る立場にある。中東情勢の変化を、遠い外交ニュースとしてではなく、原油調達コストや航行安全といった実務上の論点として追う必要がある局面だといえる。