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リマ最古級の16世紀水車小屋、偶然発見から2027年1月公開へ

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ペルーの首都リマで、2020年に道路の一部が崩落した際に偶然見つかった16世紀の水車小屋が、修復作業を終えて2027年1月に一般公開される見通しになった。リマの歴史地区の再生を担う市の事業体プロリマ(Prolima)が発掘・保存を進めてきたもので、同地区でこれまでに見つかった植民地時代の建造物としては最古とされる。

何が起きたのか

この水車小屋「モリノ・デ・アリアガ(Molino de Aliaga)」は、リマ市内のチャブカ・グランダ通りの地下で、道路の陥没をきっかけにした発掘調査中に発見された。300年以上にわたって地中に埋もれ、存在自体が忘れられていたという。プロリマの考古学者らは発見以来、地下5メートルの現場で発掘と保存作業を続けてきた。

水車小屋を築いたのは、スペインの征服者フランシスコ・ピサロとともにこの地に到達した征服者ヘロニモ・デ・アリアガで、1548年にリマク川沿いに建てたとされる。プロリマの発掘調査では、水車小屋に加えて、リマク川に架かっていた最初の橋のレンガ造りのアーチも見つかった。プロリマの統括責任者ルイス・マルティン・ボグダノビッチ・メンドサ氏は「この水車小屋は、リマが最も繁栄した17世紀の栄光を見てきたと言えるだろう」と述べている。

プロリマは、リマ建都492周年にあたる2027年1月の公開を目指し、2026年内に工事を終える計画だという。公開後は、粉をひいていたアーチ部分などを訪問者が見学できるようになる見込みだ。

背景

リマは1535年1月18日にフランシスコ・ピサロによって建設され、「王たちの都市」の異名を持つ。1543年にはスペイン領南米の統治拠点であるペルー副王領の首都となり、18世紀にブルボン改革で行政区分が見直されるまで、南米で最も重要な政治・経済・宗教の中心地だった。水車小屋は、その繁栄期の食料生産を支えたインフラの一つとみられ、1672年ごろまで使われていたという。

その後、地震や度重なる建設で地中に埋もれ、存在は完全に忘れられていた。実際、アリアガ家の子孫で今も一族の邸宅に住むゴンサロ・デ・アリアガ氏も、その存在を知らず、何も知られていなかったと話しているという。プロリマは、今回の発掘現場がペルーの都市部における最大級の考古学調査地になったとしている。

この水車小屋の復元は、リマク川沿い4キロメートルにわたる大規模な景観再生計画の一部でもある。市は2035年に建都500周年を控えており、川を軸とした観光ルートの整備を進めている。プロリマは2026年8月にも、市内中心部にある16世紀の病院と教会の遺構を一般公開した。歴史地区の発掘・公開の動きが相次いでいる。

日本にとっての意味

今回のような発見は、スペインが南米で築いた植民地社会の生活史を具体的に知る手がかりになる。水車小屋という日常生活に密着した施設が、街の建設からわずか十数年で機能していたという事実は、当時の都市がどれほど急速に整備されたかを物語る。

日本からリマを訪れる機会は多くはないが、リマの旧市街は1988年からユネスコの世界遺産に登録されており、2027年1月の一般公開が実現すれば、南米の植民地時代を体感できる観光資源が一つ増えることになる。また、道路の陥没という偶発的な出来事が数百年前の遺構の発見につながった今回の経緯は、都市の地下に眠る歴史をどう扱うかという点で、日本の都市開発や文化財保護のあり方を考える上でも参考になる事例と言えるだろう。