感染症・健康

ワシントン州で乳牛に接した住民がH5N1感染、州内初の乳牛感染から1週間

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米国ワシントン州ヤキマ郡で、感染した乳牛に接触した住民がH5N1高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に感染していたことが分かった。郡当局が現地時間10月15日に発表した。重症ではなく、自宅で療養しているという。

何が起きたのか

ヤキマ郡当局によると、感染が確認されたのは乳牛に接した住民で、現在は重症ではなく自宅で隔離生活を送っている。

この感染判明は、同郡内の2つの農場で乳牛のH5N1感染が確認されてから1週間後のことだった。これはワシントン州で乳牛のH5N1感染が確認された初めての事例だったという。

郡当局は発表の中で、一般住民への危険は引き続き低いとの見方を示している。

背景

H5N1は本来、野鳥や家きんの間で広がるウイルスだが、米国では乳牛への感染が確認されるようになり、酪農の現場で動物からヒトへの感染が断続的に報告されてきたとみられる。感染した牛に接する仕事では、牛の乳を介してウイルスにさらされる場面がある。

今回のケースでも、まず動物側の感染が農場で確認され、その後に接触した住民の感染が判明するという順序をたどっている。動物側の発生を手がかりに人への感染を見つける流れは、米国内の他地域でも見られた経路と重なるとみられる。

日本にとっての意味

日本では、感染が疑われる人を保健所が健康観察の対象にする「要観察例」の定義を、厚生労働省が2024年12月の通知(感感発1212第1号)で定めている。鳥類だけでなく乳牛との防護なしの接触も対象としている。動物側の異変をきっかけに人の健康観察へつなげるという設計は、今回のヤキマ郡の経過と重なる部分がある。

ただし、要観察例として実際に追跡されるかどうかの入口は「38℃以上の発熱及び急性呼吸器症状」がそろって出ることとされている。一方、国立健康危機管理研究機構(JIHS)が2026年4月に更新したリスク評価では、2026年1月22日までに米国で報告された71例の多くが軽症で、結膜炎や軽度な上気道症状にとどまっていたと記されている。日本の通知が定める入口の設計が、米国で実際に見られている症状の出方とどこまで噛み合うのかは、今回のような事例が増えるほど問われることになりそうだ。