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ザンビア大統領再選後、野党指導者拘束続く 国連が是正要求

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ザンビアで実施された大統領選挙後、野党幹部の逮捕・拘束が相次いでいるとして、国連のフォルカー・テュルク人権高等弁務官が声明を出し、当局に恣意的な逮捕をやめるよう求めた。選挙前から野党関係者の拘束が報告されており、投開票後も収まっていないという。

何が起きたのか

現地の8月13日に投票が行われたザンビア大統領選で、選挙管理委員会は現地時間8月18日、現職のハカインデ・ヒチレマ大統領が得票率約60%で再選を決めたと発表した。これは2021年の初当選時とほぼ同水準の得票率にあたる。最大の対立候補は主要野党NRPUPの党首で元閣僚のブライアン・ムンドゥビレ氏で、得票率は約38%だった。

投票自体はおおむね平穏に行われたとされるが、野党側は選挙運動中に脅迫や制約があったと主張しており、この懸念は欧州連合(EU)を含む国際選挙監視団も共有しているという。NRPUPはAFP通信に対し、ムンドゥビレ氏について「脅迫を受けたため、国際的な人権保護団体の保護下で安全な場所にいる」と説明した。警察は主要野党連合の複数の幹部を8月中旬から拘束しており、民兵活動や武装反乱への関与という容疑をかけているが、野党側はこれを否定している。

こうした状況を受け、テュルク氏は声明で「恣意的な逮捕をやめ、拘束されている全ての人の適正手続きの権利を全面的に守るよう当局に求める」と述べた。さらに、逮捕理由の速やかな通知、弁護人へのアクセス、家族との連絡、人道的な処遇、裁判官への速やかな引致といった国際人権基準に沿った対応を具体的に挙げ、権利侵害があった場合の救済手段へのアクセスも保障するよう求めた。ヒチレマ氏は選管が正式結果を公表してから7日以内に就任する見通しだが、公式結果の公表期限は現地の8月24日とされ、野党側による異議申し立てが予定されており、手続きが遅れる可能性もある。

背景

ヒチレマ氏は2021年の選挙で、当時の政権が経済危機や汚職への批判を浴びる中、圧倒的な支持を得て初当選したとされる。就任後は財政再建に取り組み、対外債務の再編を進めるなど、ザンビア経済の立て直しに一定の実績を上げてきたとされる。今回の選挙戦でも、この経済運営の実績を背景に優勢が伝えられていた。

一方で、その1期目の間、野党や市民社会団体からは、政権が言論や政治活動の自由な空間を狭めているという批判が繰り返し出ていたという。アフリカでは近年、選挙で選ばれた指導者が再選後に反対勢力への締め付けを強める例が各地で指摘されており、選挙そのものが平穏でも、その前後に野党関係者への拘束や訴追が起きるパターンは珍しくない。国連人権高等弁務官事務所が選挙後のこうした個別の事態に声明を出すのは、当事国政府への外交的な圧力であると同時に、国際社会への注意喚起という側面もある。ただし、今回の声明は要請にとどまり、拘束の解除や捜査の見直しを強制する権限は伴わない。

日本にとっての意味

ザンビアの大統領選挙結果自体は、現職の再選という形で一つの節目として報じられやすい。しかし今回のように、投票が終わった後に野党指導者への逮捕や拘束が続き、国連が人権上の懸念を表明するという展開は、選挙結果の速報だけでは見えてこない。民主主義の後退は投票日そのものよりも、その後の統治のあり方に表れることが多く、今回の事案はその典型例といえる。

日本とザンビアの間に直接の経済的・人的なつながりは大きくないが、日本はアフリカ開発会議(TICAD)を通じてザンビアを含むアフリカ諸国との関係を重視してきた経緯があり、ザンビアは銅をはじめとする鉱物資源の産出国としても知られる。資源開発や投資を通じた関係が今後深まる可能性がある国で、統治や人権をめぐる状況がどう推移するかは、長期的な関係構築を考える上で無視できない材料になる。また、選挙で勝った政権がその後どのように野党や異論を扱うかという問題は、アフリカに限らず世界各地で繰り返されており、日本の読者にとっても、選挙結果の報道だけで民主主義の健全性を判断することの限界を示す事例として受け止める価値がある。