米国でH5N1鳥インフルエンザ拡大、七面鳥3万羽超・乳牛も新検出
米農務省(USDA)の動植物検疫局(APHIS)が、最新の週次更新で家きん施設6件でH5N1鳥インフルエンザが新たに検出されたと発表した。乳牛でも新たな検出があり、同じウイルスが異なる家畜種で続けて見つかっている。
何が起きたのか
APHISの最新の週次更新によると、米国内の家きん施設で新たに6件のH5N1検出が確認された。特に規模が大きかったのはミネソタ州スターンズ郡の七面鳥農場とインディアナ州ジェイ郡の肉用鴨施設で、それぞれ34,400羽、24,300羽が影響を受けた。
ミネソタ州は依然としてH5N1の発生が最も集中している州で、過去30日間に商業群8件、裏庭群3件、合計343,050羽が影響を受けた。米国全体では過去30日間に商業群12件、裏庭群9件、計約55万羽の家きんがH5N1の影響を受けている。
APHISはこれとは別に、テキサス州の乳牛の群れで新たなH5N1検出を報告した。過去30日間の乳牛における検出は3件で、いずれもテキサス州だった。
背景
米国では渡り鳥が運ぶH5N1が季節的に家きん農場に侵入し、感染が広がるとみられる。2024年からは乳牛への感染も確認されるようになり、家きんと乳牛という別々の家畜種で同じウイルスの検出が途切れずに続く構図が定着しているとみられる。
日本にとっての意味
日本の家畜伝染病予防法は、高病原性鳥インフルエンザの対象家畜を法律の条文で具体的に列挙している。第2条で鶏・あひる・うずらを定め、政令できじ・だちょう・ほろほろ鳥・七面鳥を加えており、対象は7種に限られる。これらの患畜・疑似患畜は法律に基づく強制措置の対象で、所有者には第16条で家畜防疫員の指示に従い直ちにと殺する義務が課される。
一方、対象に入っていない乳牛については、法律上の措置ではなく行政指導で対応している。農林水産省は2024年4月3日付で都道府県に要請を出し、牛の生産者や獣医師等への周知と疑い事例の報告を求めた。同省は農場向けに、原因不明の乳房炎の所見がある牛は群から隔離して獣医師や家畜保健衛生所に相談するよう呼びかけている。米国で家きんと乳牛の両方に検出が続いているのに対し、日本では家畜種によって対応の法的な重みが異なる。